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  • 2015/08/18

日本版CCRC開始! 高齢者の地方移住は「北の湘南の奇跡」に学べ

北海道伊達市の成功モデルとは

今後、急増が見込まれる首都圏の高齢者を地方が受け入れる「日本版CCRC構想」が、6月末に発表された政府の「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」に盛り込まれた。既に長崎県や新潟県南魚沼市などが受け入れへ動き始めているが、国民の間では「平成の姥捨て山」と批判する声や、介護サービスによる雇用創出への期待が上がるなど、賛否が相半ばしている。首都圏の高齢者移住は、本当に地方創生に結びつき、社会問題の解決につながるのだろうか。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。

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北海道伊達市は、「北の湘南」と呼ばれるほど四季を通して「暖かく」、また、市民が障がいのある人や高齢者などに対する理解を深める「ノーマライゼーション」を実践している
(出典:伊達市提供)

日本版CCRCとは何か

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 CCRC(Continuing Care Retirement Community)とは、直訳すると継続的なケア付き引退後コミュニティのこと。高齢者が自立して生活できるうちに特定の施設に入居し、介護が必要になっても医療を受けながら生活する米国発祥の暮らし方だ。

 日本版CCRCは、「東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方や『まちなか』に移り住み、多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要な医療・介護を受けることができるような地域づくりを目指すもの」と日本版CCRC構想有識者会議で定義されている。IT活用も期待されており、「医療介護サービスにおける人材不足に対応するため、IT活用や多様な人材の複合的なアプローチ、高齢者などの積極的な参加により、効率的なサービス提供を行う」と謳われている。

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従来の高齢者施設と日本版CCRCの違い
(出典:日本版CCRC構想有識者会議)


大学敷地に200戸、400人の高齢者誘致を計画

 新潟県中越地方の南魚沼市。越後三山に囲まれた米どころとして知られるこの場所で、退職後も意欲を持つ高齢者を首都圏から呼び込む「プラチナタウン構想」が進んでいる。その一環として7月に設立されたのが、南魚沼版CCRC推進協議会(門山好和会長)だ。市に加え、地元の国際大学、北越銀行など民間企業、民間団体がメンバーに加わった。

 構想によると、9月をめどに移住者の相談窓口となるサポート組織を設立。秋と冬に首都圏の高齢者を主な対象とした試験移住事業を進めた上で、2016年度以降に移住者の募集を始める考えだ。

 “高齢者が輝く街”を意味する「プラチナタウン」は、南魚沼市国際町の国際大学敷地に計画している。約40ヘクタールの敷地に200戸、400人が暮らす街を建設する方針で、CCRC推進協議会に高齢者向け住宅を建設する組織を置き、高齢者が暮らしやすい住宅建設を進める一方、外国人留学生が多い国際大学の学生と交流することでいつまでも元気で活躍してもらおうと考えている。

 市は長く人口減少に苦しんでおり、7月末で5万8,900人まで落ち込んだ。井口一郎市長は市議会での施政方針演説で「南魚沼版CCRCとプラチナタウンを市の基軸事業と位置づけ、推進したい」と意気込みを語っている。

【次ページ】民間の力を活用して成功した「北の湘南」の奇跡

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