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  • 2015/08/27

企業版ふるさと納税でさらに過熱化? 自治体の特典がエスカレートする理由

大分市や天理市、東かがわ市はユニークな特典

ふるさとや応援したい自治体に寄付すると、所得税や住民税が控除される「ふるさと納税」で、寄付を受けた自治体からの特典競争が過熱する一方だ。各自治体のホームページには、高級牛肉、地酒、アンコウの切り身、毛ガニと地元の特産品がずらりと並び、さらには古墳の見学ツアーや動物園のボスザル命名権なども登場した。4月からは控除額の上限が2倍に上がっており、寄付先が5自治体までなら減税手続きの確定申告が不要になったのに加えて、25日には内閣官房が地方創生応援税制として「企業版ふるさと納税」の創設を盛り込む方針を示していることから、競争はますますエスカレートしそうだ。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。

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奈良県天理市の黒塚古墳。同市のふるさと納税では「ヤマト王権の古墳群を巡る考古学ツアー」の参加券が返礼品となっている

特典に古墳ツアーや外国産カブトムシ

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 ユニークな特典を打ち出した筆頭が奈良県北部の天理市だ。天理教の本拠がある宗教都市として知られるが、市内には国内最多33面の三角縁神獣鏡が出土した黒塚古墳など1,500基以上の古墳がある。これを活かして計画されたふるさと納税の返礼品が、来年2月に実施予定の「ヤマト王権の古墳群を巡る考古学ツアー」と題した古墳ツアーの参加券だ。

 7月以降に3万円以上を寄付した人が選べる返礼品の1つで、先着25人に黒塚古墳などを巡る古墳ツアーの参加券を用意する。応募者は8月中旬までで9人。市財政課は「古墳のまちを堪能し、古代のロマンを味わってほしい」とPRに懸命だ。

 香川県東部、播磨灘に面した東かがわ市も、ユニークな特典で話題を集めている。返礼品メニューに並ぶのは、外国産カブトムシやクワガタムシ。市政策課によると、市はカブトムシやクワガタムシで有名な地域ではないが、市内でクワガタ相撲の大会が開かれていることから返礼品に加えたという。さらに、100万円以上寄付した人には1日市長として市長室での記念撮影や職員への訓示を体験できる。

 大分県大分市はボスザルの命名権を特典に加えた。年末までに1万円以上の寄付をした人の中から抽選で1人に、高崎山自然動物園にいるニホンザルのボス1匹の命名権をプレゼントする。

年間141億円、2008年の2倍に

 ふるさと納税は2008年、過疎や少子化による人口減少で税収減に悩む自治体の増収策として導入された。今年4月からは寄付金のうち、2,000円を超える部分について、個人住民税所得割の概ね2割を上限とする金額が、所得税と合わせて控除される仕組みとなっている。

 自治体側が高級食材を中心とした地元の特産品を特典に並べ始めると、名産品を割安で手に入れられるお得感から寄付する人が急増した。総務省のまとめでは、2008年の寄付額が72億円だったのに対し、2013年は141億円とほぼ2倍に膨れ上がった。特に東日本大震災の被災地に寄付が相次いだ2011年は649億円に達している。

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ふるさと納税寄付額の推移
(出典:総務省報道発表資料・ふるさと納税の概要)


 山形県が高級サクランボの導入で1億円以上、財政再生団体の北海道夕張市が夕張メロンで約9,000万円を獲得するなど自治体の貴重な収入となったばかりか、北海道上士幌町のようにふるさと納税の調達金額が10億円近くに達し、個人住民税収入の約4倍に上ったところもある。全国トップの長崎県平戸市は2013年1年間で13億円近くを手に入れた。


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