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- 2016/03/24 掲載
「日本食」で育てるグローバルリーダー 伝統文化で稼ぐプラットフォームは作れるのか
中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。
公式サイト http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/
伝統のオモテナシ、「饗応」で日本と世界の関係を円滑にする「和食伝承士」とは
緋宮氏は「饗応とは最高のおもてなしをすることです。それにより、戦を避け、和睦をし、そして平和を願います。これは戦国時代から受け継がれてきた先人たちの知恵です。世界経済が混迷し、ただただ世界平和を願っているだけではすまない今、私たちは先人たちの『饗応文化』『饗応の精神』を振り返る必要があるでしょう」と話し、日本の食文化を海外に伝える活動に奔走している。
その活動の一環として、織田信長や黒田官兵衛、伊達政宗などの戦国武将や、木戸孝允や勝海舟などの幕末の英雄の食卓を再現する「饗応料理の会」を主催している。講師として大名や日本の英雄の子孫、平安時代から日本料理に伝わる包丁道、四篠司家の四篠隆彦氏を招き、日本のリーダー教育の場を提供する活動を続けてきた。
緋宮氏は饗応料理を基軸として日本古来の食養学や、本草学(中国古来の植物を中心とする薬物学)、薬食学を研究し、「世界に誇れる日本の健康食」をまとめた。この一連の健康食を「武士の食卓」と呼んでいる。
募集は0期生からはじまり、現在は4期生の育成を行っており、その9割が女性なのだという。
和食伝承士は日本の食文化を世界に伝道することを仕事とし、国や東京都、緋宮氏が理事を務める財団法人日本和食協会と連携した国家プロジェクトでの活躍が期待されている。
プロジェクトの一例としては3年後に浜離宮に建設予定の延遼館(えんりょうかん)が挙げられる。これは迎賓館として海外の国賓や観光客を迎える施設で、能舞台や歌舞伎舞台などを併設するのだという。
「延遼館という和の舞台で、最高のおもてなしである『饗応』を提供する人材が和食伝承士なのです。ここでは海外の方々も和文化を体験できます」(緋宮氏)
【次ページ】伝統文化でお金をつくる仕組みとは
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