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2016年08月02日

GE、東芝、NEC、IBMのキーパーソンが集結

製造業はIoTで「カイゼン」を「データ」に置き換える必要がある

バブル崩壊後の「失われた20年」から日本の製造業が力強く回復するためのカギを握るのが「IoT」だ。IoTを用いて、いかにして製造現場や製品の稼働に新たな価値を創出すればよいのか。「GE Digital Day 2016」では、GEデジタル、東芝、NEC、日本IBMのキーパーソンが「モノ発想」から「アウトカム(成果)発想」へ転換していくために必要なことを語り合った。

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(右から)
GEデジタル ソリューションアーキテクト ラジェーンドラ・マヨラン氏
日本IBM グローバルビジネス・サービス事業 ストラテジー&アナリティクス コグニティブ・イノベーションセンター統括 エグゼクティブ 的場 大輔 氏
NEC 執行役員 兼 IoT戦略室室長 望月 康則 氏
東芝 インダストリアルICTソリューション社 技師長の中村 公弘 氏
UZABASE/NewsPicks チーフアナリストの加藤 淳 氏(モデレーター)



GEが取り組む「3つの柱」

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GEデジタル
インダストリアル・インターネット推進本部
本部長
新野 昭夫氏

 IoTを利用した、いわゆる「第4次産業革命」が本格化している。「インダストリアル・インターネット」を提唱するGEは、「デジタル・インダストリアル・カンパニー」への変革を掲げ、産業機器とIoTを融合させた「新たな価値」の創出に取り組んでいる。

 このほど都内で開催された「GE Digital Day 2016」に登壇したGEデジタル インダストリアル・インターネット推進本部 本部長の新野 昭夫氏は、同社のデジタル変革について語った。

「GEでは、モノや技術を売ることから、お客さまの課題解決にフォーカスした『アウトカム』を提供することに転換している。2011年にソフトウェアの拠点『ソフトウェアセンター』を立ち上げ、組織や人員を拡大し、2015年10月にGEデジタルという新しい事業部門を立ち上げた」(新野氏)

 具体的なアウトカム創出のプロセスは、経営層や事業部長の合意形成を初期段階とし、タスクフォースの立ち上げなどの組織面の支援にまで及ぶ。組織体制が確立された後は、ワークアウトを行い、顧客の課題を深掘りしていく。

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「デザイン思考や、UX(ユーザー体験)、データサイエンティストなどの手法を取り入れ、203日間のワークショップを行い、業務の詳細を『自分ごと化』していく。時間はかかるが、GEはここを重要視している」(新野氏)

 そして、実際のソリューション開発、システム統合をアジャイル手法で行っていく。ソリューション開発の中核をなすのは、GEがクラウドベースで開発したソフトウェア・プラットフォーム「Predix」だ。Predixを用いたGEの取り組みについて、新野氏は以下の3つの柱を提示した。

 1つは「アナリティクス」だ。アナリティクス向けマイクロサービスとして「predix.io」という、製造業としてのGEのノウハウが詰まったアナリティクスエンジンを開発している。

 2つ目は「デジタル・ツイン」によるアナリティクスだ。これは、現実の機器と同じものを、デジタル上にデータモデリングで構築、運転データやメンテ記録などを適宜、デジタル側に投入してリアルと同期させるものだ。これにより、現実に近いシミュレーションが可能となり「機器の未来の状況を分析し、最適なオペレーションに寄与することができる」という。

 3つ目は「デジタルスレッド」だ。GEの400を超える製造工場のスマート化の取り組みを通じ、製品化を推進していく。

 新野氏は、「グローバルにビジネスを展開するデジタル・インダストリアル・カンパニーへの変革を続ける」と締めくくった。

コンシューマー分野の技術革新が各産業に波及

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東芝
インダストリアルICTソリューション社
技師長
中村 公弘 氏

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GEデジタル
ソリューションアーキテクト
ラジェーンドラ・マヨラン氏

 なぜ今、IoTなのか、日本企業がIoTを推進するためには何が必要か。「GE Digital Day 2016」ではITソリューションベンダーのIoT担当者が登壇し、「日本発IoTに向けた戦略と課題」と題したパネルディスカッションを行った。

 東芝 インダストリアルICTソリューション社 技師長の中村 公弘氏は、「機器の使用に新しい価値を生み出すことが新しい製造業の姿」との考えを示す。

「東芝は、産業機器やエネルギー機器などを『製造』し、それらの機器をお客さまに『使用』していただいている。製造と使用の2つの局面をデジタル化し、モノを作るだけでなく、品質予兆を捉え、事前にメンテナンスすることで顧客価値を高めることに取り組んでいる」(中村氏)

 また、ビッグデータが活用できるようになった背景について、GEデジタル ソリューションアーキテクト ラジェーンドラ・マヨラン氏は、「コンシューマーインターネットの技術革新がインダストリー分野にも波及した」点を挙げる。

「膨大なデータを処理するインフラ、ソフトウェアのアーキテクチャといった『制約条件』が、『イネーブラー』(実現を後押しする要素)となり、正しく設計すればビッグデータの恩恵を得られるようになってきた」(マヨラン氏)

【次ページ】日本のカイゼン文化とIoTは対立軸にはならない

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