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- 2016/10/27 掲載
日本の新幹線技術がインドの交通インフラに革命をもたらす
インドIT最新事情
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)
「爆増」するインド交通インフラ需要
インド政府が対応しなければならないのは、貨物・乗客・車両の数だけではない。全国100地点のスマートシティ構想や、増え続ける都市人口もさばいていかなければならない。公共交通及び都市部の移動手段の青写真を達成するためには、さらに投資を推進し、改善し、インフラを強化する必要がある。
インド政府の支援で設置された全国交通開発政策委員会は、政府の計画委員会を代表して報告書「インド交通報告 Moving India to 2032」を作成した。報告書によると、2011年度に10兆3750億人キロ(旅客の輸送量を表す単位。旅客の数にその輸送距離キロメートルを乗じたものの累計)だったインドの総旅客数は、年率およそ15%で増え続け、20年後の2031年度には168兆8750億人キロに達する。また、鉄道旅客は9%、道路旅客は15.4%の増加(いずれも年率)を見込んでいる。
このように交通量が増大するため、政府や民間の資金援助や健全なインフラ整備が必要とされるのだ。2031年度までに必要とされる絶対的な金額は、およそ30兆インドルピー(約4,500億米ドル)に上る。
インドは、交通分野へのデジタル技術の導入に非常に速いペースで取り組んでおり、各省庁は同じ目線を共有している。首都圏で現在も拡張が進んでいる地下鉄のネットワークは立ち上がったばかりだ。
国は「ハイブリッド車」「電気自動車」を推奨
2030年までにインド全土に電気自動車を普及させるプランもある。2015年度の国家予算で計画されたFAME(Faster Adoption and Manufacturing of Hybrid and Electric Vehicles)はその一例だ。これは、ハイブリッド自動車や電気自動車の製造・販売促進に79億5千万インドルピー(約1億1,900万米ドル)の支援を行うもので、今年度の予算にも引き続き計上されている。政府はハイブリッド車が世間に受け入れられるよう、予算配分を拡大することになるだろう。力強い政策が打ち出され、規制が整備され、公私における投資が進み、こうした動きが世間に認知・理解されるようになれば、全国的な交通のハイテク化に近づく。
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