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  • 2017/12/18

9DW 井元剛氏が「東京ガールズコレクション」で人工知能にファッションを学ばせた方法

B2Bだけでなく、B2Cの場面でも珍しくなくなってきた人工知能。ついにはファッションでの活用も取りざたされるようになった。中でも、2017年9月にさいたまスーパーアリーナで開催された「マイナビ presents 第25回 東京ガールズコレクション2017 AUTUMN/WINTER」(以下、第25回TGC)では、人工知能が審査を行う「スナップコンテスト」が実施され、話題を呼んだ。人工知能に参加者の「おしゃれ度」をどう審査させたのか。W TOKYOのVice Presidentであり東京ガールズコレクション実行委員会 チーフプロデューサーを務める池田友紀子氏と、人工知能審査員を開発した9DW 代表取締役の井元剛氏に話を聞いた。

執筆:中村 仁美、聞き手・構成:編集部 佐藤 友理

執筆:中村 仁美、聞き手・構成:編集部 佐藤 友理

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9DW 代表取締役の井元剛氏(左)とW TOKYO Vice President
東京ガールズコレクション 実行委員会チーフプロデューサー
池田友紀子氏(右)

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人工知能 x ファッションの取り組みとしてのスナップコンテスト

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 第25回TGCにおいて、おしゃれな服装に身を包んだ来場者を撮影、審査し、おしゃれ度の高い来場者をホームページで紹介する「スナップコンテスト」が行われた。 TGCはこれまで、何度となくこうしたファッションコンテストを開催しており、それを楽しみにしている来場者も多い。

 しかし、第25回TGCにおけるファッションコンテストには変化があった。これまでのファッションコンテストでは、実行委員会やモデル、ファッションブランドの関係者が審査員を務めたが、今回は人工知能が審査を務めたのだ。

 この人工知能技術を提供したのが2016年設立の9DWだ。同社は、汎用型AIコアシステムを開発しているITベンチャーで、医療、農業・畜産、交通・運送、音楽・映像など、多くの分野を対象としている。熊本城の石垣の修復システムや地震の予測システムなどにも、同社の人工知能技術が活用されている。

 こうした幅広い分野で実績のある9DWは、2016年12月にTGCを企画・制作するW TOKYOの親会社であるDLEと戦略的業務提携を締結。そこから、9DWの人工知能を活用したスナップコンテストが実現した。

 これまでさまざまな人工知能システムを開発してきた9DWだが、ファッション分野は初めてだった。TGCはガラケー時代からショーを見ながら服が変える販売連動を取り入れていたこともあり、最先端のテクノロジーには常に注目していました。その中で9DWさんをご紹介頂く機会があり、TGCとAIをどう組み合わせたら面白いかTGCチームで議論を重ねてスナップコンテストに着地しました。

「ちょうど来場者調査をしていたタイミングで、TGC来場者はSNSで支持を受けることに高いモチベーションを持っているというインプットが得られていたため、AIを活用するなら、SNSを活用したいと思っていました。SNSのデータを学習し、SNS上の支持のバロメーターとなるようなAIコンテンツになるよう、スナップ写真を人工知能で採点できないかと相談しました。審査員が人工知能だったら面白いと思ったからです」(池田氏)

人工知能に「おしゃれ」を学ばせる方法

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「開発メンバーはファッション素人集団」と語る井元氏
 人工知能が審査をするためには、おしゃれなスタイリングの学習が必要になる。井元氏は「私をはじめ、開発メンバーはファッションのファの字も分からないファッション素人集団です。どういうデータを学習すればよいのか、池田さんに相談しました」と語る。

 相談された池田氏は「SNSに上がっているコーディネート写真の中で、こういうハッシュタグを付けている、こういう属性の人達の全身が映っているコーディネート写真を学習してほしいとお願いしました」と説明する。

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池田氏は「TGCでAIを使って何かするならTGCらしいアプローチをしたいと考えていました」と語る
 こうして抽出した全身写真を画像解析系の人工知能で人物と背景により分け、人物だけにフォーカスしてコーディネートを解析。その際、洋服だけではなく、バックや靴など身につけている小物も背景から切り分け、色合いや形を人工知能で解析させ、そのコーディネートにいくつ「いいね!」が付いたかカウントさせる。たくさん付いているものはおしゃれ度の高いコーディネート、少ないものはおしゃれ度の低いコーディネートとして人工知能に学習させた。

「人は頭からつま先まで見てトータルでファッションを評価します。今回の人工知能でも同様に審査するように学習させました。したがって、髪型やバッグが変わると採点も変わります」(井元氏)

 実際にきちんと採点できるか、テストデータを用いて人工知能が採点した結果と実際の「いいね!」の数を照らし合わせ、精度を確認した。ファッション性が「いいね!」の数に反映されず、人工知能の採点との間にズレがあることもあったが、それもまた面白いということで開発を進めた。

【次ページ】ファッションの専門家も納得した「人工知能審査員」

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