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  • 2019/04/03

Backlogとは何か? 使い方や料金・特徴を比較、解説する

事例:ベネッセ、SmartHR

ITがビジネスの原動力となりデジタル化の流れが加速している。働き方改革の下、多様なワークスタイルを可能にするためには、コラボレーションツールの活用は欠かせない。このような流れの中で、コラボレーションを主軸に据えたプロジェクト管理ツールとして、ヌーラボが提供するBacklog(バックログ)が大きな注目を集めている。本記事では、コラボレーションITをめぐる動向を踏まえながら、Backlogの特徴や導入が進む背景について解説する。

Innerstudio プロデューサー 鍋島理人

Innerstudio プロデューサー 鍋島理人

コンテンツ企画・制作や、プロジェクト運営、SaaSビジネスなど幅広い知見と経験を有する。IT技術者コミュニティとの繋がりを通して、コミュニティマネジメントや先端ソフトウェア技術についても造詣が深い。日本の組織にコラボレーションITを根付かせるため、オンサイトトレーニングや導入支援活動を行う。メディア/IT業界にて、広告営業、特集記事の企画、イベントプロデュースを通して、IT企業向けコンテンツの制作経験を積む。またクラウドサービスのビジネスにも携わり、企業向けトレーニングの実施やアドボケイト活動を通して、コラボレーションITの導入・定着における知見を積む。元Developers Summit オーガナイザー(翔泳社)、Backlogカスタマーサクセス(ヌーラボ)。

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Backlogは大規模なソフトウェア開発から保守運用、デジタルマーケティングキャンペーンの管理、Webサイトの制作までを網羅するプロジェクト管理ツールだ
(出典:BacklogのWebサイト

Backlogとは何か

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 Backlogとは、ヌーラボが提供しているSaaS(Software as a Service)型のプロジェクト管理ツールである。国産のSaaS型プロジェクト管理ツールとしては老舗で、2006年に商用版の提供を開始している。

 現在にいたるまで、数度の大規模なリニューアルを行うなど、活発な開発が行われている。近年は利用ユーザー数が急増し、2018年8月には利用者数が100万人を突破するなど、日本国内におけるプロジェクト管理ツールとしては最大規模のサービスとなる。

 Backlogの大きな特徴としては、シンプルでわかりやすいUIや、コラボレーションに大きな比重をおいていることが挙げられる。本来プロジェクト管理は、PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)で定義されているとおり、広大な領域をカバーする概念だ。

 しかし、Backlogはあえてチームのタスク管理と情報共有にフォーカスすることで、機能をシンプルに保ち、ツールの学習コストを抑えている。

 加えて、絵文字の採用や柔らかい色使いのUIによって、ITツールへの抵抗感を軽減し、非エンジニアであってもプロジェクト管理がしやすくなる操作性を目指している。また、メンバー間のコミュニケーション機能やチーム間・組織間でのコラボレーションを助ける機能にも力を入れている。

 Backlogの用途は、大規模なソフトウェア開発から保守運用、デジタルマーケティングキャンペーンの管理、Webサイトの制作まで多岐にわたる。さらには近年、営業・総務など一般的な業務のタスク管理や、カスタマーサポートの課題管理にも採用されている。一般的なビジネスパーソンでも使いこなせるという特徴が、非IT分野への進出を後押ししている。

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Backlogが注目を集める背景は

 現在、BacklogやSlackのようなコラボレーションを支えるITツールに大きな注目が集まっている。その背景にあるものは何だろうか。

 大きな潮流として指摘しておくべきなのが、ITとビジネスの融合に伴うデジタル化の流れ、そして働き方改革がもたらした多様なワークスタイルである。

 今やITはビジネスに役立つどころか、自社のビジネスの原動力であり仕組みの根幹そのものとなりつつある。

 ソフトウェア開発の内製化やDevOpsの連携、データ利活用の強化、デジタルマーケティングの推進などは、すべてこのデジタルトランスフォーメーションの流れに沿って起きていることだ。

 これらの変化に対応するためには、関連する複数の部門が緊密に連携して、迅速に問題解決に当たれるよう、体制を整える必要がある。エンジニアやデータサイエンティストを始めとする高度なスキルを持った人材の確保も急務だ。

 従来の縦割り型の組織に縛られていては、これらの変化に対応することは難しい。お互いの強みの補完や、高度の技術を求めて、複数の企業が会社の壁を超えて共創することも増えている。デジタルトランスフォーメーションの下で、組織間のコラボレーションの必要性はますます高まっている。

 加えてコラボレーションITの需要を高めているのが、働き方改革の進展だ。在宅勤務や時短勤務、リモートワークの増加は、一つの場所に集まって同じ時間を共有する、従来の日本型の働き方を困難にしている。

 生産性を高めながら、1人ひとりの生活に即した多様なワークスタイルを許容するためには、対面でのコミュニケーションやマネジメントに代わる、各人の稼働状況の可視化と、非同期型のコミュニケーションの導入が欠かせない。

 一方、コラボレーションを推進する上で障害となるのは、多くの企業で一般的に行われている、メールとスプレッドシートによるタスク管理だ。メールでのタスク処理は、長大なやり取りや複数の話題の混入が起きてしまいがちだ。またメールでのやり取りはチームメンバーへの共有が難しく、不透明になりがちだ。

 その結果、業務の可視化と追跡は困難になり、属人化や口頭報告、不必要な会議を増やしてしまいがちだ。スプレッドシートによるタスク管理にも問題がある。チームごとにタスク管理表が乱立してしまうと、情報の整合性を保つのが困難になる。必要なシートを探し出すのにも時間が掛かってしまいがちだ。

 結果、必要な情報や現状が行き渡らなくなり、情報のサイロ化や意思決定の硬直化を招いてしまう。このことは、コラボレーションの文脈においては、大きな問題となる。つまりコラボレーションを円滑にするためには、タスク管理とコミュニケーションの問題を解決する必要がある。

コラボレーションITをめぐるトレンド

 米国の市場調査会社MarketsandMarkets社によれば、世界のコラボレーションITの市場は2018年の340億5700万ドルから、2023年までに598億8600万ドルに成長すると予測されている

 また、その中でもタスク管理ツールの市場は、同社発行の「タスク管理ソフトウェアの世界市場予測」によれば、2018年の22億7000万ドルから、2023年までに43億3000万ドルにまで成長し、年平均成長率は13.7%に達するという。特に、ビジネス環境の激烈な変化に対応しなければならないマーケティング分野での活用が、成長の主要なけん引材料となると言われている。

 国内の動向については、矢野経済研究所が2018年10月に発表した、ワークスタイル変革ソリューション市場調査結果によれば、2017年度の市場規模4170億円から、2022年度までに5618億円の規模にまで成長すると予測されている。

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ワークスタイル変革ソリューション市場規模推移と予測
(出典:矢野経済研究所 報道発表

 リモートワーク推進に伴い、遠隔コミュニケーション強化、データ・ナレッジ共有を含めた支援サービスの需要が高まることや、大手企業を中心に、社内で活用していた各種のコミュニケーションや情報共有を、情報共有のためのクラウドサービスに集約するといった動きがその背景だ。

 こうしたIT市場を巡る動向も、Backlogにとっては追い風になっているのではないだろうか。

Backlogの優位性は

 それでは、プロジェクト・タスク管理ツールの領域にはほかにどのようなプレイヤーがいるのだろうか。またBacklogがほかのツールと比べて優れている点はなんだろうか。

 繰り返しになるが、本来プロジェクト管理はPMBOKでも定義されているとおり、広大な領域をカバーする概念だ。一言でプロジェクト管理ツールと言っても、用途に応じてさまざまな製品があり、本記事でそのすべてを取り上げることは難しい。

 ここでは、Backlogと特徴や利用範囲がよく似ており、比較検討されることが多い4つの製品をピックアップした。大雑把であるが下記の表に特徴をまとめたので、簡単に比較してみよう。

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Backlogと他のプロジェクト管理ツールとの比較表
(筆者作成)

 Backlogの特徴としては、基本となるタスク管理機能(課題管理・ガントチャート)に加え、Wikiによるドキュメント管理や、共有ストレージ機能を備えるなど、業務管理で活用できるさまざまな機能が標準で含まれていることだ。

 特にファイル管理については、ほかのプロジェクト管理ツールがファイル添付にとどまっているのに対し、Backlogは共有ストレージ機能を備えているので、柔軟なファイルのやり取りや大容量ファイルの取扱が可能なのは特筆すべき点と言える。

 ソフトウェア開発者にとっては、Gitリポジトリ機能が最初からプロジェクトに統合されており、面倒な設定をすることなくタスク管理と連携できるのも大きなメリットだろう。

 そしてBacklogは国産のツールなので、日本語でのサポート体制が充実している。日本語でのドキュメントが豊富なことや、ユーザーコミュニティも活発に運営されていることも大きなメリットだ。

 一方レポーティング機能は、JiraやAsanaなどほかのツールが勝っている。Asanaは、複数のプロジェクトの進捗をひと目で把握できるポートフォリオ機能が充実している。また、Jiraはスクラム開発などに対応した多彩な指標によるレポート生成が可能だ。

 しかしBacklogは、プロジェクト個別にカテゴリごとの残りタスク数表示やバーンダウンチャートの表示などが可能だが、ほかのツールと比べる必要最低限の機能にとどまっている。

 この点については、今後の改善が望まれるところだ。ただ、Backlogのシンプルさには、ツールへの習熟度に関わらず、状況をひと目で把握しやすいというメリットもある。

 また、ほかのツールがアカウント数によって料金が変動するのに対し、Backlogは契約単位で料金が固定となっている。機能と提供するストレージ容量によってプランは異なるが、ユーザー数が増えれば増えるほど一ユーザー単位の費用は安くなる。

たとえば、Asanaの有料プランが1ユーザーあたり月額$9.99なのに対し、Backlogのスタンダードプランは月額1万1800円(税別)で固定だ。アカウント数が20人なら一ユーザーあたり月額590円、100人なら僅か月額118円となる。このように、ほかのツールと比べると一ユーザ単位のコストを大幅に抑えることができるのも大きな魅力だ。

 最後に比較対象としてあげたRedmineは、OSSのプロジェクト管理ツールとして著名だ。プラグインによる拡張性で、さまざまな用途に柔軟に対応できることは大きな魅力だ。

 その半面、サーバーインストール型(注1)なのでサーバーの運用管理スキルが必要なことや、プラグイン設定の煩雑さ、複数のプラグインを利用した際の相性問題の懸念などは否めず、Redmineの活用には一定のITスキルが必要だ。

 このことは特に非IT部門での活用の際にハードルとなる。Backlog、Jira、Asanaはクラウドサービスとして提供されているため、これらの導入や運用にかかるコストを大幅に軽減することができる。導入検討時には、表面的な費用だけでなく、運用工数を含めたトータルコストを検討することが重要だ。

注1:ホスティングサービスとしてRedmineを提供している企業もある。また、Backlog、Jiraにはサーバーインストール型のパッケージも存在している。

Backlogの使い方

 それでは、本項ではBacklogの利用開始の流れと、基本的な使い方について紹介しよう。まずは、Backlogへのサインアップからだ。

・トライアルへのサインアップ

 まずは下記のリンクよりBacklogの無料トライアルに申し込み、スペースを取得する。スペースとは、URL(スペースID)で仕切られた契約組織専用の領域であり、Backlog利用の基本単位だ。すでに有料契約を決めている場合でも、最初は必ず無料トライアルに申し込み、スペースを取得する必要がある。

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 無料トライアルは、Backlogを30日間機能制限なしで、無料で利用できるというものだ。ただし、利用できる機能は申し込んだプランによって異なる。本契約の手続き(正式登録)を行わなければ、料金が発生することもなく、トライアルの申込み回数にも制限がないので、納得がいくまでBacklogを検証し、機能に習熟することが可能だ。

 ただし、一度トライアルで取得したURLや登録したデータを引き継ぐためには、有料契約が必要となる。

 実はBacklogには無料版も用意されているが、個人~小規模なコミュニティでの利用を想定しており機能制限が多い。そのため、業務での利用を検証する際は、有料版のトライアルに申し込むことをおすすめする。

 次のページにBacklogのプランの違いを表でまとめたので参照してほしい。

【次ページ】どんな企業がどのようにBacklogを使っているのか? ベネッセやSmartHRの事例

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