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- 2012/01/30 掲載
父が息子に贈るコンサルティング講座(12)~「事実からスタートする-2」 強みのグローバル還流が始まる
分科会では、まず各社の営業業務改革策、拡販や利益率向上策を聞くことにした。最初に、営業マン1人当たり売上が1番大きな、A社から聞いた。僕は、ハイパフォーマンスには理由があるという、親父の言葉を思い出した。A社は、規模が小さく、営業企画部がない。そこで、営業本部長が来日している。アルキルと名乗る小柄な男だ。褐色の肌で、立派な髭を蓄え、目が大きい。人事上は、原部長と同格となる。
「たまたまですが、当社も本社と同じ営業支援システムを使っています。でも、本社のようなカスタマイズはしておらず、ほとんどパッケージのままで使っています。主要な管理レポートを持ってきました。このシステムのおかげで、営業マンや案件の状況がわかって、助かっています」
彼は、訛りのある英語で話すと、日ごろ使っている営業ステータスレポートを配った。
「アルキルさんは、5年前に化学会社から来られたんですね。その後、会社の売上は大きく伸びています。化学会社の時の営業方法を導入したんですか」
原部長が聞いた。
「特にそういうことではありません。ただ、今までずっとやってきたことを、今も続けているだけです」
これでは、埒が明かない。僕は昨日、2人のコンサルタントに教えてもらった必殺技、「事実からスタートする」を使うことにした。
「ずっとやってきて、今も続けていることって、たとえばどんなことですか」
「たとえば、営業マンの指導です。営業所長には、きめ細かく指導するように指示しています」
なるほど。これが、親父が言っていた『嘘』なのか。やはり、何度もしつこく、たとえば、具体的にはと聞かないといけないんだ。人の頭の中で、成功事例は意識領域にないから、事実を聞いても、具体的な話はすぐには出てこない。僕は、無意識の海に沈んでいる事実を引き上げることにした。
「具体的に、どのような指導をしているんでしょう」
「それは、いろいろですね」
「たとえば」
やたらしつこく聞く僕に、原部長は心配そうだ。石津は、ニコニコしながら、アルキル氏が配った営業ステータスレポートを見ている。
「たとえばと言われても」
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