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  • 2014/02/04 掲載

従業員のソーシャルメディア炎上対策(運用編)、リスクキーワードをすばやく収集する

連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント

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従業員によるソーシャルメディア炎上が依然として後を絶たない。これらは、まだまだソーシャルメディアを軽率な考えで利用する従業員が多いことの現れであり、企業としては未然にトラブルを防止するため、粘り強く従業員へ周知・徹底を続ける必要がある。今回は、ソーシャルメディアトラブルを防ぐためのリスクマネジメントを一過性のものとせずに、継続的に運用する方法を解説する。

「継続的な啓蒙」の必要性

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 従業員の個人利用におけるソーシャルメディアのリスク対策については過去の記事で紹介した。

 しかし、各企業がガイドラインを策定し、従業員研修を行って、それこそ誓約書にサインさせたとしても、やはり時間が経つにつれて、従業員の危機感はどうしても薄れてくるものである。これは、交通マナーの研修などと同様で、研修の受講直後は安全運転の意識が高まるが、時間が経てばいつの間にか安全運転に対する意識が低下してしまっているのと同じだ。

 一方で、個人のソーシャルメディア利用そのものは制限できず、炎上は瞬く間に広がって個人の所属する企業に危機を招く。そのため、企業としては、根気強く従業員に継続的に啓蒙活動を続けなければならない。

 しかし、時間やコストをかけて、定期的に研修を行うのは現実的ではないだろう。これに代わり、企業、従業員の双方に負担なく継続して啓蒙できるような方法が必要だ。

 そこで、お勧めなのは「朝礼での啓蒙」である。

 すでに朝礼をコンプライアンス意識向上に役立てている企業もあるだろうが、まだそのような取り組みを行っていない企業もあるだろう。そういう企業はぜひ取り組んでほしい。

 もちろん毎日でなくていい。「毎週月曜日はソーシャルメディアガイドラインの読み合わせを実施する」など習慣化することで、従業員へ継続的に啓蒙することが可能になる。

 また、ガイドラインの読み合わせだけではなく、リスクにつながりそうな事例などを情報共有する事も重要である。

小さなリスクを見逃すことは大きなリスク

 読者の皆さまは「ハインリッヒの法則」をご存知だろうか?

 「ハインリッヒの法則」とは、アメリカの保険会社の勤めていたハインリッヒが、過去に工場で起きた労働災害の発生件数から統計的に導き出した法則であり、今でも企業の危機管理などによく用いられている。

【ハインリッヒの法則】
「1つの重大な事故の背景には29の軽微な事故があり、その背景には300の事故につながっていないヒヤリ・ハッとした事象が隠れている」

photo

 この「ハインリッヒの法則」をソーシャルメディアのトラブルに当てはめてみると下記の通りだ。

1件の重大な事故(企業側が認知)社会的に問題となるような投稿(炎上)、外部からの通報やクレームが入るなど企業の対応が必要な事案
29の軽微な事故(企業側の認知は100%ではない)当事者同士や極身近、あるいは限られた範囲内での軽微なトラブルにつながる投稿、企業視点では不適切な投稿を行った事案
300のヒヤリ・ハット(企業側の認知はほとんどない)投稿者本人がすぐに削除した投稿、トラブルには至っていないが見た人から反感を買うような投稿を行った事案


 このハインリッヒの法則から分かることは、1件の重大な事故に対して29の軽微な事故が発生しており、300のヒヤリ、あるいはハッとする出来事が発生しているという点である。

 つまり、ソーシャルメディア上でヒヤリとした投稿があり、それを日頃から簡単に見逃してしまったり、そのまま放置してしまうと、いずれ大きな事故につながってしまうことがわかる。企業がリスクマネジメントを行うには、これらの小さなリスクを日頃から見逃さない習慣が必要だ。

【次ページ】リスクキーワードの出現をすばやく/定期的に収集するには
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