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  • 2014/11/14 掲載

ANAが明かす、ユーザー体験 最大化への挑戦 クラウド活用で顧客窓口を統合

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企業間競争が激化している航空業界。その中で全日本空輸(以下、ANA)は、顧客体験を最大化して高い付加価値を提供する差別化戦略に取り組んでいる。とりわけ、Webやメールなど、ネット上でのコミュニケーションが拡大していることから、クラウドを活用し、分散していた顧客窓口のシステムを統合した。さらに複数のサービス部門が情報を共有することで、顧客へのレスポンスを迅速化するとともに、サービス業務の効率化にもつなげている。ANA 業務プロセス改革室イノベーション推進部サービスイノベーション チームリーダーの吉村裕子氏がその取り組みを明かした。

執筆:野澤 正毅 企画・構成:編集部 松尾慎司

執筆:野澤 正毅 企画・構成:編集部 松尾慎司

野澤 正毅:1967年12月生まれ。東京都出身。専門紙記者、雑誌編集者を経て、現在、ビジネスや医療・健康分野を中心に執筆活動を行っている。

ネットサービスに不満を持つ顧客がコールセンターに殺到

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全日本空輸(ANA)
業務プロセス改革室
イノベーション推進部
サービスイノベーションチーム
リーダー
吉村 裕子 氏
 オープンスカイ(航空自由化)の加速、LCC(格安航空会社)の台頭などで、企業間競争が一段と激しくなっている航空業界。そうした中、全日本空輸(ANA)は、顧客満足度の徹底した追求によって、同社サービスの付加価値を向上する取り組みを続けている。

 同社が競争力の源泉として重視しているのが「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験、以下CE)」。つまり、顧客に「ANAには付加価値がある」と感じてもらい、「また利用してみよう」と思ってもらえるかどうかが勝負というわけだ。

 ANAは、10年ほど前からカスタマーサービス部門を立ち上げ、CEを向上させる具体策の一つとして、予約状況や運航状況についての問い合わせに、迅速に対応するサービス体制を整備してきた。

 とりわけ、顧客とのコミュニケーションチャネルが電話からネットに移行(ノンボイス化)しているのを受けて情報システムを刷新、同社Webサイト「ANA SKY WEB」などでのコミュニケーションの効率化を図っている。

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 10月23日に開催された「Oracle Days Tokyo 2014」(日本オラクル主催)のセミナーで登壇したANAの吉村裕子氏は、「オンプレミス(自社運用システム)の旧型システムによる顧客サービスでは、CEが非常に低く、改善が必要だった」と振り返った。

 ANAでは、顧客サービスの向上につなげるため、「サービスクオリティ・マネジメント」に取り組んでいる。たとえば、予約から搭乗、空港への到着に至るまでの一連のサービスに対する「顧客満足度調査」、サービス基準の達成状況を品質管理部門や外部機関がモニタリングする「クオリティチェック」、カスタマーボイス(年間約75000件)や社員(客室乗務員やコールセンターなど)のレポートに基づいたサービス改善活動「クローズドループ」を実施している。

「そうした取り組みの中から浮上した課題は、お客さまの窓口が複数の縦割りになっていて、横の連携が取れておらず、スムーズなレスポンスができていないことだった」(吉村氏)

 ANAの主な顧客窓口は3つある。空港などのカウンター(対面)やコールセンター(電話)、ネット(メール)だ。ANAでは、経営合理化の一環として、この10年間でニーズが少ないカウンターを閉鎖してきた。その結果、現在ではノンボイス化が進み、たとえば国内線についてはネットでの予約が約7割を占めるまでになっている。

 ところが、顧客とのコミュニケーションチャネルはそれぞれ担当部門が異なり、サイトのFAQ(よく出てくる問答集)や問い合わせフォーム、コールセンターのシステムも別々に運用されていたという。そのため、「同じ質問内容でも、窓口が違えば、回答も違ったりすることが起こりえた」。

 一方、顧客の側は、たとえば、スマートフォンを使えば、Webサイトにもコールセンターにも、いつでも、どこからでもアクセスできる環境だ。もし顧客がメールと電話で同じ質問をして、回答が食い違っていたら、信用を失ってしまう。

「そこで、この2年間は、予約から空港到着までのサービス部門間に横串を刺し、情報を共有化することに注力した。旧システムでは、メールの返信に時間がかかり、FAQのページも情報が頻繁には更新されていなかった。一方、コールセンターにはタイムリーな情報が集まっており、その場で問題を解決しやすい。結果として、ネットでのサービス対応に不満なお客さまが、コールセンターに流れてしまっていた。そのため、コールセンターのオペレーターに負担が集中していた。その結果、台風のときなどは電話が殺到し、コールセンター業務がパンクする事態も起こっていた」

【次ページ】問い合わせメールやコールセンター対応の減少率は?

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