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- 2015/08/06 掲載
Facebookに聞く、海外進出でこそソーシャルメディア広告が有効なワケ
有料の広告と無料のFBページを組み合わせてソーシャルならではの効果を
井上氏:Facebookの日本における月間アクティブ利用者は2300万人、そのうちモバイルからのユーザーが2200万人を占めています。デイリーアクティブ利用者は1600万人で、このうちモバイルからのアクセスは1500万人です。日本人の10人に1人以上が毎日アクセスしてくれているわけです。
今はまだ過渡期で、これから日本でももっと浸透していくのではないかと考えています。確かに一時期の爆発的な伸びと比べると、浸透が緩やかになっていくのは仕方がないかもしれません。しかし、新聞やテレビなどの媒体が日本中に浸透するまでに何十年かかったでしょうか。利用動向よりも、これだけのユーザーがいるメディアをどう活用するのかを一緒に考えていきたいですね。
──企業にとってFacebookはどのようなメディアとして活用できるのでしょうか。ポテンシャルは感じるけれど、どう使えばいいのかわからないという声も聞かれます。
井上氏:重要なことは、メディアを活用すること自体が企業のゴールではないということです。売りたい商品やサービスがあり、それを必要とするより多くのお客さまに届けるということが大切です。
私たちはそうした課題を抱える企業の方向けに「Facebook for Business」のサイトを公開しています。「オンラインの売上をアップ」「近隣エリアでの売上をアップ」「アプリを宣伝」、そして「ブランド認知度をアップ」の4つにカテゴライズし、その企業が持つ課題にもっとも則した使い方を選んでいただいています。
──無料で使えるFacebookページと有料の広告とはどのように違うのでしょうか。
井上氏:確かにFacebookページを作るのも、広報情報や製品情報を発信するのもすべて無料でできます。無料で使えるFacebookページを使えば、今いるファンになってくれているユーザーとのコミュニケーションをさらに濃密にできるでしょう。
しかし、既存のファンだけをターゲットにしていてはビジネスに発展はありません。そこで活躍するのが広告です。たとえば既存のお客さまと同じような特徴を持つ人とつながりを持ちたい、ターゲットを広げるためにまったく違う領域のユーザーにアピールしたいといったニーズに応えることができます。
簡単に言えば、既存のファンとのコミュニケーションをより濃密にするツールがFacebookページ、新たな顧客を開拓するツールが広告ということになるでしょう。
──セグメントを絞ったターゲティング広告やリスティング広告もあり、それぞれ精度や効果が異なります。Facebook広告の特色を教えていただけますか。
井上氏:Facebookは実名で登録していただき、任意で趣味や好きなページなどをご登録いただくので、趣味趣向まで拾い上げた緻密なセグメンテーションを可能にしているのが最大の強みです。他のデジタル媒体ではおよそ30%程度といわれるターゲティング精度ですが、Facebookでは90%以上の含有率で狙ったユーザーにリーチできます。
興味のない広告を表示しないように選択できる機能を提供することで、ユーザーの志向をより細かく拾い上げ、情報を届けたい企業と興味を持つユーザーのマッチング精度がより高まる仕組みです。
Facebookは、ユーザーにできるだけ関心が高い情報や興味がある情報を流すようにしています。望んでいない広告を無理矢理表示させることは、ユーザーにとっても出稿する企業にとっても良い結果にはつながりません。欲しい情報を欲しい人に届けることで、広告を見るユーザーにも広告主にもメリットが生まれます。きちんとレスポンスがあった層に向けて段階的に絞り込みながら、トライ&エラーを続けて、その効果をさらに高めていただくことができます。
【次ページ】なぜFacebook広告で海外売上を30倍にできたのか
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