開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 会員限定
  • 2015/08/24

情報子会社に忍び寄る「危機」、将来期待されている業務はIoTか海外支援か

ガートナー松原榮一氏が解説

JUASの調査によれば、従業員1,000人以上の企業のほぼ4割が情報子会社・ITグループ会社を保有し、8割以上の開発業務を委託しているという割合は6~7割に達する。昨今の情報子会社には、情報漏えい対策やコスト削減のさらなる強化、IoT(モノのインターネット)への対応など、さまざまな要求が課せられている一方で、経営者や事業部門からは、上流工程を任せられる要員がいない、SE単価が高い、ビジネスの現場と会話ができない、といった問題も指摘されている。企業において情報子会社は不要なのだろうか? 本稿では、情報子会社にまつわる課題とその解決策について、基本的なアプローチ方法を解説する。

ガートナー リサーチ部門 バイス プレジデント 松原 榮一

ガートナー リサーチ部門 バイス プレジデント 松原 榮一

ガートナー ジャパンにおいて、IT戦略策定、プロジェクトの評価、ITガバナンス、日本版SOX法、ITの財務管理、IT組織、ITリスクの管理、内部統制、IT調達の最適化といった情報システム部門のマネジメント領域を中心に、リサーチと提言を行っている。ガートナー ジャパン入社以前は、日本航空の情報システム部門において、システム基盤の企画、システム開発、データセンターの運用、システム監査等に従事していた。情報システムコントロール協会 (ISACA) 東京支部の設立メンバーの1人である。東京工業大学 大学院修士課程修了 (電子工学科)。

情報子会社に忍び寄る「危機」

連載一覧
 現在、どのような企業が情報子会社を保有しているのだろうか。JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)が実施した「企業IT動向調査2015」によれば、従業員1,000人以上の企業では、ほぼ4割が情報子会社を保有している。また、これらの情報子会社の多くが設立されたのは、1980年代から1990年代にかけての時代であり、当初の目的は「ITコストの抑制」や「親会社の業務知識を持った要員の継続的な確保」といったものだった。

 そして、先般ガートナーが実施した「2015年版ITサービス・ユーザー調査」(情報子会社を保有する親会社の回答)からは、企業が情報子会社を保有する目的は、「親会社の業務を理解した要員の確保」「親会社の業務改革の支援」「新しいITスキルの獲得」「ITの管理レベルの向上」「IT費用の抑制」「外販による収益拡大」など、以前より多様化している傾向が見て取れた。もちろん、これらはいずれも親会社の方針に基づくものであり、どの保有目的が正しいといった優劣を判断するものではない。

画像
ITグループ会社(情報子会社)を保有する目的は何か?
(出典:ガートナー) 


 同じく「2015年版ITサービス・ユーザー調査」に寄せられた回答によると、情報子会社の課題としては、「新しいITスキルを持った要員が育たない」「人件費が高くなってきている」「良い要員を採用できない」「親会社の業務知識が不足している」「開発業務の標準化ができていない」といった項目が上位に浮上してきている。

 先述の情報子会社の保有目的とこれらの課題を対比させると、「新しいITスキルの獲得」と「新しいITスキルを持った要員が育たない」といったように、関連する項目の相関が高いことがわかる。また、「業務分析等の上流のスキルが不足している」のように、保有目的にかかわらず選ばれている項目もある

 これらの課題を解決するには、課題を目的達成の阻害要因として捉え、目的達成に必要な構成要素(イネーブラー)を時間軸に沿って展開することが重要となる。

【次ページ】情報子会社からSIベンダーに発注される再委託化率は●●%以下にせよ

BPO・シェアードサービス ジャンルのトピックス

BPO・シェアードサービス ジャンルのIT導入支援情報

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!