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  • 2015/12/08

小売業のデジタル化、米国企業にも勝るイオン、セブン、ローソンの事例

いま国内外の小売業には、「オムニチャネル」や「カスタマーエクスペリアンス(CX)」といったキーワードに象徴されるデジタルテクノロジーの波が押し寄せている。デジタル化が求められる背景にある消費者の変化、米国と日本の小売業におけるデジタル化への取り組みの最新動向などを押さえつつ、そこで直面している課題とは何か。小売業のCIOや情報システム部門のリーダーが次の一歩に踏み出すための方向性を示す。

小売業のデジタル化を促しているのは消費者

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ガートナー
コンサルティング
シニア・マネージング・パートナー
丸山 貴久 氏
 消費者の購買行動に大きな変化があらわれている。いつでも、どこからでも、ネットにアクセスできるスマートフォンが広く普及したことで、ほしい商品の情報を大量に集めることが可能となった。なかでもSNSでやりとりされるクチコミ、あるいはネット通販サイトの満足度ランキング、ユーザーが投稿したレビュー記事などが、顧客の購買行動に大きな影響を与える重要な要素となっている。

 実際の購買そのものも特定の店舗には縛られない。実物を確認したり説明を受けたりした商品をその場では買わず、同じ商品をより安い価格で販売しているネット通販サイトから購入する「ショールーミング」と呼ばれる行動も目立つようになってきた。

 小売業のデジタル化を促しているのは、まさに消費者なのだ。「Gartner Symposium / ITxpo 2015」のセッションに登壇したガートナーコンサルティング シニア・マネージング・パートナーの丸山貴久氏は、「消費者が新しいテクノロジーを積極的に活用して変化している以上、小売業もその動きに追随しなければならない。デジタルビジネスに移行すべき状況が緊迫している」と語った。

 そこで重要となる観点として丸山氏が示唆したのが、「インサイドアウト」と「アウトサイドイン」の2つのキーワードである。現在ほどデジタルテクノロジーが浸透していなかった時代は企業側が用意したチャネルを消費者に提供していく、すなわちインサイドアウトのアプローチで優位を獲得することができた。

 しかし、現在は逆に外の世界に広がっているデジタルテクノロジーを企業側が取り込んでコミュニケーションに活用していく、アウトサイドインのアプローチがより重要となっているのである。

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ガートナー
コンサルティング
シニア・マネージング・パートナー
スコット・クラーク氏
 ガートナーコンサルティングのシニア・マネージング・パートナーであるスコット・クラーク氏も、「デジタル化はあらゆる産業に変化をもたらしたが、最も大きなインパクトを与えたのは小売業に他ならない」と語り、今後も10年、15年といったスパンで新しいテクノロジーが続々と登場し、パワーバランスはますます消費者の側にシフトしていくと見ている。

 先にも述べたように、SNSでのやりとりは消費者の購買行動にすでに大きな影響を及ぼしているわけだが、「将来的にはSNSそのものがコマースのプラットフォームに進化していく可能性があります」という予測を示した。

顧客の意思決定をコンテキスト(文脈)で理解すべき

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 では、今後の小売業はこの変化にどのようにとらえ、デジタル化の“勝ち組”になるために何をすべきなのか。クラーク氏は、「デジタルテクノロジーの動向に追随することは言うまでもなく大切だが、同時に社会学的な観点からも消費者の変化を見ていく必要がある」と説き、次の4つのポイントを挙げた。

 第1は「ユーティリティ」。20年前に比べて現在の消費者は時間に追われており、自分のニーズや嗜好にあった、より良い商品やサービスを選定するためのサポートを行ってほしいと考えている。

 第2は「パーソナル化」。現在の消費者は小売に限らず他の分野でもカスタマイズされることになれており、個別ニーズに対応してほしいと考えている。特に小売業に対して自らの個人情報を提供している場合この意識が強く、情報と引き換えに徹底的にパーソナライズされた対応を行ってほしいと望んでいる。

 第3は「利便性」。消費者は常に自分にとって都合のよい形で買い物をしたいと考えている。たとえばオンラインショップから注文した商品を通勤途中の店舗で受け取れるようにするなど、多様な選択肢を用意すべきである。

 第4は「スピード」。いますぐその商品がほしいという消費者の期待に応えていかなければならない。

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