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- 2016/04/28 掲載
ネスレ、Audi、LG、コマツのビジネススキームを変えるIoTの広がり
グローバル経営環境の変化とモバイルの浸透
岩渕氏はまず、デジタルの観点から、現在の市場の特徴を挙げ、解説を開始した。現在の市場の特徴
・経済の不確実性
・アジアの存在感の増大
・ビッグデータの活用の拡大
・チャネルのデジタル化
・人口の若年層へのシフト
・顧客中心の時代
「現在のグローバル経済は、複数の局が存在します。経済の中心は欧米だけではなくなってきたということです。特に、成熟した欧米市場を押さえながら、地理的にも文化的にも近いアジア市場で日本企業はどう勝っていくのか。これがあらゆる業態に通じる重要なポイントです。さらに、2020年にはGDPの43.2%、新規雇用の67%はアジアから生じるようになります」(岩渕氏)
同氏は、アジア圏での注意点として、消費者の動きの違いを挙げた。中国や東南アジアでは、消費者が初めて手にするコミュニケーションツールが携帯電話、というケースも多く、日本の消費者とは消費行動も違ってくるという。また、宗教と言語の多様性も対応しなければならないという。
「特に、モバイルは対応が難しいでしょう。モバイルの普及であらゆるコミュニケーションが双方向になり、消費者も情報を発信するようになりました。結果として、情報の透明性も向上しました。企業よりも消費者の方がコミュニケーションの先をいくところもでてきました。そんな進んだ消費者に追いつかなければならない状況が、企業のアナリティクス活用を拡大させました」(岩渕氏)
デジタル化がもたらした「消費者ニーズと商品のマッチング」というハードル
さらに、モバイルが浸透し、双方向のコミュニケーションが拡大するなかで、消費者のニーズが細分化したという。特に、購買の中心的な層であるGeneration Y(1975年から1989年に生まれた世代)と呼ばれる若い消費者は自分のライフスタイルに合った情報しか必要としないという。同氏が挙げたGeneration Yの特徴は下記の通りだ。Generation Yの特徴
・便利でないことが許容できない
・クチコミを重視
・コミュニケーションは合理性だけでなく娯楽性も必要
・個人情報の価値を認識し、選んだ企業のみに情報を提供
・最終的に右脳的判断
・期待に応えなければあっさり捨てる
・自分向きにカスタマイズされることを期待
「コミュニケーションは合理性だけでなく娯楽性も必要、クチコミを重視、便利でないことが許容できない、最終的に右脳的判断を下す、という価値観を前にしては、スペックの訴求などの合理的なコミュニケーションは意味をなさないのです。欧米ではマーケティングという言葉は死語になりました。いままでデジタルマーケティングと呼ばれてきた、ただ情報を付加するだけのコミュニケーションでは、消費者は振り向きません。だからこそ、消費者のニーズと商品をマッチングさせるブランドコミュニケーションが重要になります」(岩渕氏)
例えば、自動車業界ではほとんどの接点がデジタル化している。Audiのデジタルディーラーは良い例だ。あるAudiのデジタルディーラー店舗では、実際の車は一台しか置いていない。その代わり、車のまわりに大型画面が複数あり、画面の中でさまざまな車種の色を変えることができる。消費者の事前リサーチと、こういった形での車との接触で、試乗割合が下がっても、消費者を購買に導くことができる。
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