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- 2017/08/17 掲載
GST(物品・サービス税)でインドの税制が抜本変化、ERPも刷新相次ぐ
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)
インドではGST対応がERP刷新を後押し
インド企業の中には、GST体系に対応して、商品の追跡や税、その他のコストの分析を可能にするため自社システムを更改しなければならず、ITベンダーや税務専門家の助けを借りた例もある。
また、多くの企業は必要に迫られて、複雑なGST対応を確実に進めるためにERP(Enterprise Resources Planning:基幹系システム)を刷新した。企業は、ERPを用いて在庫品のネットワーク、業務支援のリソース、さらには人材資源を含むすべての相互関係を監視、選別しているが、インドでは、特にSAPとOracleがERP分野の大手として事業を展開している。
ERPの活用がGST対応を支える
ERPのある有識者によると、あらゆる企業がGST導入に伴って、全取引が別々に記録されている従来のシステムから、すべての入力項目が相互関係で結ばれている新型ERPシステムへの移行が求められるという。ERPは、とりわけサプライチェーン管理のため製品メーカーで活用が進んでいる。たとえば、数多くの小売業者が商品を倉庫から小売業者に卸す際のチェックにERPを用いている。インドのある州で製造された石鹸が首都デリーのショッピングモールで販売される場合、ERPが商品輸送業者でのチェックや流通の各段階で情報を記録している。
その際、GST導入前の枠組みでは、各州が異なる方法で税を扱っていたが、インド全土で統一されたGST導入によって、国全体が商業の集積地のお手本のようになった。GSTはERPシステムにおいて、マスターデータの管理、税額計算、および業務プロセスの分散化といった分野に主な影響を及ぼす。その結果、多くの企業が、修正が加えられた新しいERPの枠組みを理解し、最終のGST税率表を採り入れた。
【次ページ】GST導入がERPに及ぼすインパクト
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