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- 2018/09/28 06:25 掲載
チャットを導入すれば「コミュニケーションがうまくいく」と思ったら大間違いだ
1982年生まれ、東京大学工学部システム創成学科卒。製造業DX・人材ビジネス・IT開発・新規事業などの経験から、プロジェクト活動における「未知」という難しさを痛感。解決策を模索する中で、学生時代に学んだ設計学・サービス工学のプロジェクト活動への応用を着想した「プ譜(プロジェクト譜)」は、進行設計を計画書ではなく「譜面」として表現することで、管理に寄りすぎず、柔らかな進め方ができる手法として、静かながらも長年の支持を得ている。組織マネージャ、ITプロマネ、二児の父という三足のわらじが履ききれなくなって、2019年5月に独立。企業研修や実務支援に取り組む中で、どの業界、企業、人にも共通する悩みがあると理解し、何か一助になりたいと思いながらも試行錯誤を続けている。近年はプ譜を用いた壁打ちセッションを試行中。
ビジネス社会を席巻したビジネスチャットツール
iPhoneが登場し、SMS(ショートメッセージサービス)のUIを初めて見たときは、非常に感動したものだった。やり取りする人の発言が左右に吹き出しで表示され、時系列とともにスクロールされていく画面。あれがまさに、メールが「リアルタイムメッセージ交換ツール」の座をチャットツールに譲った瞬間だったのではないか。
そこからあっという間に、一対一ではなく多対多のコミュニケーションプラットフォームとして、ビジネスチャットツールが普及した。所属組織やトピックごとに簡単にチャンネルを立てることができ、メンバー管理も容易に行える。ハッシュタグを使いこなせば操作性も向上する。
そう考えるとビジネスチャットツールはいいことずくめように見える。しかし、うまい話ばかりというわけにはいかないのだ。
Slack導入でつまづいた筆者の失敗談
ここで筆者の体験談を紹介したい。筆者はプライベートで、子育てをしているパパ同士でバンドを組み、楽曲制作やライブ出演などの活動をしている。しかし、所属している会社もコミュニティも全然違う人間同士、子どもの子育ての真っ最中に集まれる時間は少なく、慢性的にコミュニケーション不足の課題を抱えていた。
少人数でやっている間は、それでもメールでやり取りできていたのだが、ある時期を境に参加メンバーが急増、ライブ出演を控え、ついに収拾のつかない状態に至った。
そこで導入したのがSlackである。日々の業務で手応えも利便性も感じていたので、特に違和感なく導入できると思っていたのが、これが大きな間違いだった。
スマホでもPCでもアクセスでき、24時間いつでも更新できる「常時接続」性は本当に便利だ。前向きで建設的なコミュニケーションができている間であれば、それは間違いなくメリットなのだが、認識違いや不満が発生すると、一転してデメリットになる。
企画を盛り上げ、スピーディにイメージを共有し、リアルに集まる短い時間の大部分を練習に充てたい、という当初の狙いは外れ、士気はさがり、イメージの齟齬が露呈し、リアルに集まる場はオンラインの齟齬を補完する追加の打ち合わせの場になってしまったのだ。
【次ページ】筆者の失敗の原因は?
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