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  • 2019/01/07

車のサブスクリプションは失敗に終わる? 実際はコスト増の「罠」も

米国では車の所有方法が急激に変わりつつある。サブスクリプション、と呼ばれる月々定額を支払い、その期間中は車を交換することも可能、というシステムが複数のメーカーに採用されているためだ。新しい車の所有方法として注目される一方、このようなシステムは失敗に終わる、との予想もある。サブスクリプションは定着するのか。筆者も実際に体験してみた。

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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車でもサブスクリプションモデルは定着するのか
(© kanzilyou - Fotolia)

車のサブスクリプション、自動車メーカーが直接提供

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 車のサブスクリプションには大きく分けて2つの潮流がある。自動車メーカーが直接提供するもの、そしてスタートアップ企業がさまざまなメーカーの車を独自のアプリによって提供するものだ。

 米国では現在サブスクリプションを提供するメーカーはBMW、メルセデスベンツ、キャデラック、フォード、GM、ポルシェ、ボルボなどがあり、スタートアップとしてはA3V、COX、fair、TURO、CARMAなどが代表的だ。

 サブスクリプションのシステムにもさまざまなものがある。ポルシェのパスポート、キャデラックのブック、メルセデスベンツのコレクション、BMWのアクセスはそれぞれ新車が対象で、月額固定制で車の乗り換えが可能だ(プランにより年間の乗り換え回数の上限あり)。

 価格は最も安いBMWの1099ドルから最も高いポルシェの3000ドルまでさまざまだが、一般的に高額の設定となっている。

 価格の安いサブスクリプションを提供しているのはボルボのケアで、こちらは携帯電話のような2年契約制だ。ただし対象となる車種は現在XC40とS60の2種類のみで、サブスクリプションというより短期リースの要素が強い。

 しかし保険、メンテナンス込みで価格が650ドルもしくは850ドルということで、予定台数がすぐに完売状態になったほどの人気となった。

 フォードの提供するキャンバスは少し異質で、新車ではなくユーズドカーが対象となる。その分価格も安く、セダン型では329ドルから、SUVでも445ドルから提供されている。車の乗り換えにはその都度99ドルが必要、ベース価格にサブスクリプション期間に応じた上乗せがある、年間の走行距離に制限がありオプションとして走行距離制限を購入する、などやや複雑なシステムになっている。

スタートアップが手掛けるサービスも登場

 これらはメーカーが提供しているため対象となる車はそのメーカーのものに限られるが、フォードのシステムに近くてさまざまなメーカーのユーズドカーをサブスクリプション提供するのが「fair」に代表されるスタートアップ企業によるサービスだ。

 それぞれの細かな条件は異なるが、1週間、1ヶ月などを最低期間とし、好きな車を好きな期間乗れる、簡単に返却できて別の車の乗り換えも可能、というのが売りになっている。

 これらの他、メーカーが提供するカーシェアリング、BMWのリーチナウなども新たな車所有、利用法のひとつに認識され、こちらは時間単位ながら必要な時だけ車を使える、レンタカーより手軽、という利点がある。

 メーカーのサブスクリプションは保険やメンテナンス、ロードサイドアシストなどが込みになっているのがほとんどで、サブスクリプションサービスの拡大に連れメーカーと提携して保険を提供する保険会社も次々に登場している。

 CBインサイト社がまとめた表を見ると、トリプルA、リバティミューチュアルなど、大手の保険会社がそれぞれのサービスと提携してサブスクリプションに保険を提供している現状がよく分かる。

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大手の保険会社がそれぞれのサービスと提携してサブスクリプションに保険を提供している

【次ページ】各社のサブスクリプションは成功しているのか?

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