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  • 2019/02/19

ボッシュの電動バイクシェア「Coup(クー)」、加熱するMaaSブームに乗れるか

電動バイクのシェアリングサービス「Coup(クー)」は、ベルリン、パリ、マドリードといった欧州首都へのサービス展開を果たした。台湾のスマートスクーターのメーカー Gogoroが製造したスクーターを活用し、アプリで解錠/施錠ができる乗り捨て型のサービスは、人口集中が続く都市部の交通渋滞や環境汚染の解決策として期待される。Coupを子会社として設立した自動車部品大手ボッシュは、「所有から利用」へと変革する自動車・バイク業界の変化をとらえようとしている。

佐藤 隆之

佐藤 隆之

Mint Labs製品開発部長。1981年栃木県生まれ。2006年東京大学大学院工学系研究科修了。日本アイ・ビー・エムにてITコンサルタント及びソフトウェア開発者として勤務した後、ESADE Business SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は、スペイン・バルセロナにある医療系ベンチャー企業の経営管理・製品開発を行うと共に、IT・経営・社会貢献にまたがる課題に係るコンサルティング活動を実施。Twitterアカウントは@takayukisato624。ビジネスモデルや海外での働き方に関するブログ「CTO for good」http://ctoforgood.com/を運営。

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ボッシュが展開している電動バイクのシェアリングサービス「Coup」。台湾のメーカー Gogoroが製造したスクーターが活用されている(提供:Bosch)。


ボッシュが開始した電動バイクのシェアリング「Coup」

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 都市の交通が悩みの種となっているのは、全世界で共通する現象だ。運転手が交通渋滞で足止めされている時間を年間で算出すると、モスクワが91時間で欧州1位、ついでロンドンが73時間、パリが65時間と続く。非生産的な時間は都市の経済を圧迫し、また、労働者の生活の質も下げてしまう。

 交通問題は、今後、悪化の一途を辿る可能性さえある。都市部への人口集中が続いているため、より多くの人が限られた道路と駐車場を利用するようになる。

 世界中で都市部に住む人口の割合は、1970年には30%だったのが、2014年には54%、2050年には66%に達するとデロイトは予測がしている。さらに、過剰な自動車利用は環境問題も引き起こすため、欧州の主要都市では、中心地への自動車乗り入れを規制する動きも増えてきた。

 そこで、小回りが利き、かつ環境に優しい交通手段として注目されているのが、電動バイクのシェアリングサービス「Coup」だ。自動車部品大手ボッシュが子会社として設立した企業で、ボッシュの本社があるゲルリンゲンの他、パリ、ベルリン、マドリードと欧州3国の首都にサービスを展開した。

どこでも乗り捨て、使った分だけ支払うサービス

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専用のアプリでスクーターの検索・予約、料金の支払い等を行う。ヘルメットボックスを開けたり、走行を始めると、Bluetooth経由で電動バイクと接続したスマートフォンを通じて動作が確認される(画像:ボッシュ プレスリリースより)。
 小型の電動バイクをいつでも、どこでも、好きなときに乗れる同サービスの魅力は、そのシンプルさだ。バイクの免許を持っていれば、アプリを登録するだけで利用を開始できる。鍵もカードも必要ない。自分の近くにあるバイクをアプリで探し、バイクのGoボタンを押せば運転を開始できる。アプリとバイクが通信し、自動的に認証を行う。

 シート内にはヘルメットが用意されているので、自分で準備するものはない。事故が起きた際の保険も含まれている。利用を終了する際も、アプリで操作が完了する。乗り捨て型なので、降りる場所を選ぶ必要がない。電動バイクの充電はCoup側が担当するので、利用者は充電を気にしなくて済む。

 人口密度の高い欧州首都では、十分な数の電動バイクが導入された。ベルリンは1000台、パリは600台、マドリードは850台が導入され、必要なときにはバイクが見つけられる環境が整備されている。

 利用料金は、使った分だけ支払う従量課金制になっている。ベルリンの場合、始めの30分は3ユーロ(約370円)で、その後、10分ごとに1ユーロが追加される。1日(午前7時~午後7時)使う場合は20ユーロ(約2500円)、一晩(午後7時~午前7時)使う場合は10ユーロ(約1250円)といったプランもある。料金や規約が都市によって若干異なるが、基本的な仕組みは共通だ。

【次ページ】アプリで解錠/施錠可能、台湾のスマートスクーターメーカー Gogoroの欧州展開

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