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- 2012/12/05 掲載
経産省CIO補佐官 平本健二氏が語る、BPM/BPMNによる業務・調達プロセス最適化
標準表記法が普及促進
経済ジャーナリスト。1972年日刊工業新聞社入社、以降88年まで第一線の経済・産業記者として活躍。経団連、NTT、通産省、郵政省、労働省、東京商工会議所、各記者クラブ所属、米国特派員を経験。情報通信、コンピューター・ソフトウエア産業草創期から取材。コンピューター・OA、情報通信、経営問題関連の執筆・著作多数。1989年から投資家向け広報(IR)コンサルタントとして内外の企業IR・PRをサポートしている。
機動性、迅速性を担保したシステム開発の実現
「BPMはライトなソリューションであり、このプラットフォーム上で業務を組み立てる形が、機動性、迅速さの点から、今後の新しいやり方として普及してくると思う。」
BPM(Business Process Management)とは
BPMは、ビジネスプロセスを可視化し、プロセスの分析、業務改善検討、モニタリングを行うことを通じて、継続的にビジネスプロセスの改革を推進するマネジメントツールである。プロセスの実施状況を評価するKPI、モニタリングによる実施結果を一貫して管理する。さらにそれらを基に経営判断を行うことにより、下記を実現する。
- 社会経済状況の変化に対する組織適応力の向上
- サービスの高度化、サービス提供の迅速化
- 経営の強化(経営戦略とオペレーションの整合性向上)、ガバナンスの向上など
(出所:日本BPM協会)
ただし、これまでプロセスの可視化などに統一したルールがなく、モデリング担当者によって品質にばらつきがあり、相互運用や利用するプラットフォームへのロックインといった観点から、BPMの導入は日本で進まなかった。
しかし、「BPMを実現するための標準的な表記法としてBPMN(Business Process Model Notation)が整備され、相互運用性に関する検討が進んでいる。さらにBPMNのバーション2.0が2011年1月に公表されたことに加え、多くのツールが提供されるようになったことからBPMやBPMNの普及が広がっている」と平本氏は指摘する。
BPMN(Business Process Model Notation)とは
OMG(Object Management Group)で標準化が進められているビジネスプロセスの表記法。人間系の業務プロセスを主な対象としており、表記が簡易なため、ユーザーにわかりやすいことが利点である。モデリングについては次の3つのレベルが想定されており、目的により使い分けることができる。
レベル1 主な業務(正規系の業務)の流れを表現し、業務フロー図として、俯瞰的な検討を主目的とするレベル
レベル2 イレギュラーな業務の流れも含め業務を詳細化し、シミュレーションなどによる定量な分析を目的とするレベル
レベル3 上記レベル2に加え、プロセスデータや外部システムとの連携を考慮し、プロトタイピングや実装を目的とするレベル
2011年1月に、ワークフロー実装、相互運用を考慮したレベル3をサポートするBPMN2.0がリリースされたことで普及が加速しつつある。なお、OMGとは、企業、大学、非営利団体等の約370団体(2011年2月時点)が参加する非営利の国際的なコンソーシアムで、ソフトウエア技術に関する標準化に取り組んでいる。
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BPMの適用フェーズ (出典:政府CIO補佐官 平本健二氏講演資料)
【次ページ】BPM/BPMN導入のポイント
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