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  • 2013/01/31 掲載

トヨタ流PLM活用の秘訣、エコカー時代のエンジン開発に求められるもの

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今や自動車は、従来のガソリンや軽油だけでなく、電気、ガス燃料、バイオ燃料、水素など、多様な燃料で駆動することが求められつつある。これらのエンジンは、既にさまざまな形で実車に採用されているが、その開発プロセスは複雑さを増している。「PTC Live Tech Forum 2012 東京」で登壇したトヨタ自動車 第2技術開発本部 エンジン統括部 エンジン統括室長 児玉憲和氏は、「いいクルマづくりには、PLMソリューションが欠かせない」と指摘する。児玉氏は、同社のエンジン開発について、設計からデータ管理に至るすべてのプロセスにおけるPLMの活用方法について解説した。
フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

燃費を上げる2つのアプローチ

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 トヨタでは、エコカーの普及に向けて、新たなエンジン開発に乗り出している。最近では従来のガソリンや軽油だけでなく、ガス燃料、合成液体燃料、バイオ燃料、電気、水素などの自動車用燃料が多様化しており、次世代技術を採用した多くのパワートレーン(動力および動力伝達、駆動系のこと)も登場している。

 児玉氏は「燃費を良くするためには、エンジン側とドライブトレーン側からの2つのアプローチがある」と語る。

 エンジン側から熱効率そのものを向上させたり、ドライブトレーン側から使用頻度分布(5AT、6AT、CTV)をエンジン熱効率の高い領域にシフトさせる工夫を凝らしている。その技術として、たとえば最大熱効率を高める「アトキンソンサイクル」や、熱効率の高い領域を拡げる「過給ダウンサイジング」などがある。

 アトキンソンサイクルは、同社のハイブリッドカー「プリウス」のエンジンに搭載されたことでも知られている。これは、空気の圧縮比よりも膨張比を大きくして熱効率を改善した内燃機関の理論だ。普通のエンジンでは下死点(ピストンが下がりきった状態)まで空気を吸い込んで圧縮するが、アトキンソンサイクルではピストンの途中までの容量分の空気しか吸わず、圧縮して爆発させる。つまり少ない吸気量で、従来と同じ仕事ができる効率的なエンジンといえる。

 一方、過給ダウンサイジングは、エンジンの排気量を下げて、ターボやスーパーチャージャーなどでパワーを補う方式のこと。普通のエンジンより排気量を下げ、相対的にピストンや回転摩擦の抵抗が小さくなるように、軽負荷領域に近づける。小さいエンジンを目いっぱい利用して燃費を稼ぎ、足りない出力は過給で補うイメージだ。

「これらの技術を利用することで、低燃費・高出力を実現した新型エンジンを、続々と市場へ投入する予定だ。」(児玉氏)

 たとえば2014年以降に、小排気量化(2.0L)とターボチャージャーを採用した新型エンジンを市場に投入する予定だ。これは過給ダウンサイジングを利用したものとなる。またHV用についてはアトキンソンサイクルによって世界最高となる熱効率38.5%を実現した新型ガソリンエンジンを2013年以降にも販売する。このほか排出ガスクリーン化を図った商用/乗用車用の新ディーゼルエンジンも開発中である。

【次ページ】トヨタのエンジン設計、グローバル開発環境

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