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- 2015/01/15 掲載
「P-D-C-A」に「F」をつけろ!テスラモーターズ「秘密のマスタープラン」
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テスラモーターズの秘密のマスタープラン
世界を電気自動車中心の社会へと導くことで、21世紀の最も有力な自動車会社となる
これだけなら「行き着く先のイメージ」を漠然と示したベンチャー企業にありがちなものと大差ない。これは目指す理想ではあっても目標とはなりえない。大切なのは「どうやってこのビジョンを実現するか?」である。
同社CEOのイーロン・マスクが優れていたのは創業から3年経った2006年、「テスラモーターズの秘密のマスタープラン」としてより具体的な道筋を示したことだ。そこにはこう書いてあった。
電気自動車のような新しい技術を開発するためにはお金がかかるので、初期の段階では一台当たりのコストがかなり高くなってしまう。
従ってテスラは、そのコストを吸収できる高価格を許容してくれる顧客を狙って、まずはハイエンド市場から参入する。具体的にはテスラ・ロードスターというハイエンドのスポーツカーを最初のモデルとして市場に投入する。
テスラ・ロードスターを一定台数販売することで、できるだけ早期にコストを回収し、コストダウンを実現する。その結果、2番目の車種としてファミリー層向けのスポーティー4ドアセダンを最初の車種ロードスターの価格8万9000ドルの半額で市場に投入する。
さらに3番目の車種としてより安価な大衆型モデルを発売する。
こうしたモデル展開戦略に加えて、車メーカーに限らず、自社の技術を採用してくれる他社へ発電システムを提供する戦略を並行して実施する
テスラモーターズはこのマスタープランに書いてある通りのステップを踏んでビジョンを実行している。2008年にテスラ・ロードスターを発売後、2012年にスポーティーセダンのモデルSを発売、2015年にSUVのモデルX、2017年にモデルS(7万ドル)の半分くらいの価格でモデル3を発売することを予定している。
価格の点などで多少のズレはあるものの、同社が今後ギガファクトリーで電池を集中生産することで電池関連のコストを下げるとか、特許を無償で開放するなど「電気自動車中心の社会」を目指して着実に手を打っているのは高く評価できる。
重要なのは、社員全員が目標に関心を持ち続けること
単なるスローガンのようなビジョンは、達成への道筋が見えず、ただのお題目に終わりやすい。掲げたビジョンを確実に実現するためにはこうした道筋をはっきりとみんなに示し、一つひとつのステップを踏んでいくことが欠かせない。【次ページ】どのようにして社員の関心を惹いたのか
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