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  • 2015/07/24

トヨタ生産方式を実践、「整理」と「整頓」を行う4つの手順とは

トヨタ生産方式の導入方法(1)5S前編

これまでトヨタ生産方式(トヨタ式)のものの見方や考え方、行動の仕方を中心に書いてきた。では、実際に自分が働く職場や会社で、トヨタ式を本格的に導入しようと考えた時、具体的にどのようなことを、どのような順番で進めていけばいいのだろうか。これから複数回にわたり、「こういうやり方で進めるとうまくいく」という具体的な方法を記載していく。関心のある方は「読む」だけではなく、是非「実行」に移していただきたい。

カルマン 代表取締役社長 若松 義人

カルマン 代表取締役社長 若松 義人

1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買、業務の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。その後、農業機械メーカーや住宅メーカー、建設会社、電機関連などでもトヨタ式の導入と実践にあたった。91年韓国大字自動車特別顧問。92年カルマン株式会社設立。現在同社社長。中国西安交通大学客員教授。
著書に『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』『トヨタ流「改善力」の鍛え方』(以上、成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』 『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』『トヨタの社員は机で仕事をしない』『なぜトヨタは逆風を乗り越えられるのか』(以上、PHP新書)、『トヨタ式「改善」の進め方』『トヨタ式「スピード問題解決」』 『「価格半減」のモノづくり術』(以上、PHPビジネス新書)、『トヨタ流最強社員の仕事術』(PHP文庫)、『先進企業の「原価力」』(PHPエディターズ・グループ)、『トヨタ式ならこう解決する!』(東洋経済新報社)、『トヨタ流「視える化」成功ノート』(大和出版)、『トヨタ式改善力』(ダイヤモンド社)などがある。

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トヨタ式では「整理」が一番最初に取り組むべきこととなる

倉庫を見ればその企業のつくる力や売る力はすぐに分かる

連載一覧
 トヨタ式の改善では、ムダについての理解とともに、「5S」を徹底することが求められる。5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つを指す。

 仕事の中でモノやデータを探す時間は案外多い。

 たとえば、資料がどこにあるか分からなくなり、「たしか引き出しの中にしまったはずだ」と探し回ったものの、結局見つからずに仕事がストップし、周囲に愚痴をこぼしたり、あるいは上司から「しっかりしろ」と叱られた経験を持つ人は少なくないはずだ。

 こうした人たちにとって、モノを探すことは「日常」であり、「仕事の一部」だが、トヨタ式においてはモノを探すことは「ムダ」以外の何物でもない。

 必要なモノやデータを、必要な時に、必要な人が、たとえ入社したばかりの新人であっても、すぐに取り出すことができるのがトヨタ式である。

 倉庫を見ればその企業のつくる力や売る力はすぐに分かる。トヨタ式改善はまず、モノを探すムダを省き、「必要なモノを、必要な時に、必要なだけ」が可能になるだけの「5S」を徹底することからスタートすることになる。

「整理」を行うための4つの手順

 5Sは、まず「整理」から始める。その整理は、「名札作戦」から始まる。名札作戦とは、いらないモノに名札を貼り、不要なモノが一目で分かるようにする整理方法のことだ。手順は次のとおり。

1.名札作戦実施プロジェクトの発足

 メンバーはできるだけ幅広い部署の担当者を集めて構成する。「全員参加」というより「全員参画」のプロジェクトとして、1か月くらいをかけて実施する。

2.対象物の選定

 直接部門の設備や在庫、間接部門の機械や備品など、例外を設けることなくくまなく対象として考える。

3.基準の決定

 たとえば、過去1か月以上使用しなかったモノや、今後1か月以上使用する予定がないモノは「不要」として名札を貼り、それ以外は「必要」とする。

4.名札を貼り、不用品の対処を決める

 整理の大切さは理解していても、いざ「不要」の名札を貼るとなるとあれこれ理屈をつけて拒んだり、躊躇することがあるが、整理では基準に従って心を鬼にして貼ることが大切だ。

 ただし、どうしても無理なものは「保留」にしたり、あるいはトップなどの決裁を仰ぐといいだろう。そのうえで不用品一覧表を作成、理由と状態に応じて対処を決める。

 整理における注意点は2つある。

 一つはトップの関心だ。企業によっては「トップが整理なんかに関わらなくても」となるだろうが、それでは中途半端なものになってしまう。現場が躊躇するモノについてはきちんとトップが関わり、必要か不要かを決めることで整理は一気に進むことになる。

 もう一つの注意は、捨てると決まったモノに関して、「捨てればゴミ、分別すれば資源」を念頭に、時には自分たちの手で分別や分解をすることでモノを大切にする精神を養うことだ。分解を通して設計の見直しに至った企業も少なくない。

【次ページ】「整頓」を行うための4つの手順とは

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