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  • 2015/04/08

新入社員に改善魂を引き継げ!今こそ「モノづくりは人づくり」の実践を

連載:トヨタに学ぶビジネス「改善」の極意

4月は入学、入社の季節である。景気が低迷していた頃は各社とも新入社員の数をずいぶんと抑えていたが、このところの景気改善を反映して、みなさんの職場にも待望の新入社員が入ってくるのではないだろうか。なかには後輩を迎えるのは久しぶりということで、どう接し、何を教えればいいのか悩む人もいるかと思うが、企業にとって「人づくり」は最も大切な使命であることを念頭に、指導に取り組んでいただきたいものである。

カルマン 代表取締役社長 若松 義人

カルマン 代表取締役社長 若松 義人

1937年宮城県生まれ。トヨタ自動車工業に入社後、生産、原価、購買、業務の各部門で、大野耐一氏のもと「トヨタ生産方式」の実践、改善、普及に努める。その後、農業機械メーカーや住宅メーカー、建設会社、電機関連などでもトヨタ式の導入と実践にあたった。91年韓国大字自動車特別顧問。92年カルマン株式会社設立。現在同社社長。中国西安交通大学客員教授。
著書に『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』『トヨタ流「改善力」の鍛え方』(以上、成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』 『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』『トヨタの社員は机で仕事をしない』『なぜトヨタは逆風を乗り越えられるのか』(以上、PHP新書)、『トヨタ式「改善」の進め方』『トヨタ式「スピード問題解決」』 『「価格半減」のモノづくり術』(以上、PHPビジネス新書)、『トヨタ流最強社員の仕事術』(PHP文庫)、『先進企業の「原価力」』(PHPエディターズ・グループ)、『トヨタ式ならこう解決する!』(東洋経済新報社)、『トヨタ流「視える化」成功ノート』(大和出版)、『トヨタ式改善力』(ダイヤモンド社)などがある。

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2015年入社組の新入社員は「消せるボールペン型」

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 新入社員を対象に就労意識などを調査、その年ごとの新入社員の特徴とタイプを命名してきた公益財団法人日本生産性本部によると、2015年入社組の新入社員のタイプは「消せるボールペン型」だという

 その理由は、見かけは普通のボールペンと変わらないが、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を持ち、その機能をフルに生かさないともったいないからだという。今日のように変化の激しい時代にはとても貴重な能力と言える。

 ただし、そこには注意書きがあり、急いで即戦力に育て上げようと熱を入れる(熱血指導)と、色(個性)が消えてしまったり、インクが切れる(早期に退職する)危険性があるので指導には注意が肝要という。

 人にはそれぞれの個性があり、一括りにして「○○型」と言われることに反発を感じる若者もいるだろう。しかし、いつの時代も新入社員は先輩社員から見ると物足りない存在であり、「俺たちの若い頃」に比べて甘やかされた存在となる。そしてそんな「若者」を一人前の社会人へと育て上げるのが先輩社員に課せられた使命でもある。

 ある地方銀行のトップが、かつて入社式で新入社員に特に強調して教えていたのは2つのことだった。1つは「失敗した時には『失敗した』と大きな声を出しなさい」であり、もう1つは「お客さまの所に行ったらしっかりと話を聞きなさい」だった。

 1つ目はトヨタ式の「見える化」に通じる考え方だ。失敗した時、問題が起きた時、「みんなに知られたらいやだ」と隠し、一人で解決しようとするといずれ大きな問題に発展して、先輩たちでも対処できなくなる恐れがある。そうならないためにはみんなに聞こえるように大きな声で「失敗した」と言えばいい。

 そうすれば「馬鹿だなあ」「何をやっているんだ」と多少怒られることはあっても、先輩や上司が助けてくれることになる。問題というのは見えなければ知恵も出ないし、協力も得られないが、見えればみんなの知恵が集まり、協力して解決できる、というのがトヨタ式の考え方だ。失敗を恐れない風土をつくるためにも大切な教えだった。

 もう1つの教えはとかく「話す」ことに夢中になりがちな新入社員への戒めだ。商談などで大切なのは「話し合い」よりも「聞き合い」であり、新入社員が最初にやるべきはしっかりとお客さまの話を聞くことであり、そのニーズに1つずつ応えることでビジネスは成立し、人としても成長できる。

 「『きく』には聞く、聴く、訊くの3つある」というのがトヨタ式の考え方だが、どのように「きく」かでお客さまの答えや現場の問題の見え方も変わってくることになる。話す以上に聞くことは難しい。「きく力」をつけ、3つの「きく」を使い分けられるようになることで人は大きく成長することができる。

【次ページ】トヨタのOJTはなぜ効果を発揮するのか

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