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  • 2015/06/10

関西私鉄の雄、阪急電鉄が「本気で」ベンチャー支援のワケ

「私鉄王国」関西を代表する電鉄会社で、タカラヅカを擁して「高級ブランド」ともみられているのが阪急だ。その阪急電鉄が意外にも最近、関西発のベンチャービジネスの育成にかなり意欲的な姿勢をみせている。鉄道や不動産のような本体の事業への見返りはあまり望めそうにない起業家支援、ベンチャーの育成に、なぜ本気になって取り組むのか?

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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(Photo by:muzina_shanghai

私鉄が出資も含めたベンチャー支援

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 経済の新陳代謝を促す起業家支援、ベンチャーの育成は、アベノミクスの「第3の矢」、「日本再興計画」の中でも非常に重視されている。ベンチャーにスタートアップ資金を供給する「ベンチャーファンド」も次から次へと設立されている。中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)、地方自治体、大学、政府系金融機関、メガバンクから信用金庫まで各金融機関、ベンチャーキャピタルなどが、その設立主体になっている。

 しかし、投融資が本業ではない事業会社が設立したベンチャーファンドはあまり多くない。設立している企業も、何らかの形で自社の事業にプラスの見返りがあることを期待していることが多い。

 たとえばNTTドコモやKDDIは、ユニークなコンテンツプロバイダーを育成して自社陣営に取り込み、ヒット作をテコにスマホの契約数を伸ばしたいという狙いがある。自動車や電機や機械のメーカーがベンチャー支援を行えば、それは自らのニーズに合致した技術シーズを掘り起こして育成し、同業他社に対して技術的に優位に立ちたいという思惑がその背景にある。

 だが、これが私鉄だったらどうか。電鉄会社が行う事業といえば主なものは鉄道業と不動産業だが、どちらも巨大なインフラ、巨額の資本が必要で、ベンチャーが貢献できそうな部分は小さい。そのため私鉄が起業家支援やベンチャーの育成を行っても、事業への見返りはあまり多くは期待できないだろう。

 それでもあえていま、ベンチャーファンドの設立、出資も含めたベンチャー支援に積極的に取り組んでいるのが阪急阪神ホールディングス傘下の関西私鉄の雄、阪急電鉄である。それは「地盤沈下気味の関西の復権を目指す関西財界のお付き合いでカネを出している」程度のものではなく、自らのビジネスの一部として参入しており、かなり本気だ。

阪急の本拠地、大阪・梅田に、起業の「エコシステム」を構築

 阪急電鉄といえば、その本拠地は宝塚線、神戸線、京都線の主要三路線の始発駅である大阪・梅田で、梅田駅周辺に商業ビル、オフィスビルなど多くの不動産を保有している。その一つ、梅田駅から徒歩2分の「阪急ファイブアネックスビル」(北区角田町)の5階と11階に2014年11月、24時間利用可能な会員制オフィス「GVH#5(ジー・ブイ・エイチ・ファイブ)」をオープンさせた。

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会員制オフィス「GVH#5(ジー・ブイ・エイチ・ファイブ)」の
フロアイメージ
(出典:阪急電鉄発表資料)


 GVH#5は「会員制スタートアップ支援オフィス」だ。ベンチャーを立ち上げたばかりの起業家や準備中の起業志望者にフリーアドレス方式のオフィスを格安の賃料で提供するとともに、コミュニティの形成促進、ビジネスサポート、情報発信の支援など、スタートアップを支援するソフト面の機能も充実させている。

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