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  • 2016/07/13 掲載

避けられない「コンパクトシティ化」、こうすれば成功する

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人口減少時代を迎え、郊外へ無秩序に広がってきた都市の姿を見直そうとする動きが、地方自治体の間で広がってきた。自治体の多くが立地適正化計画の策定に動きだし、医療福祉施設、商業施設など都市機能や住宅を一定区域に誘導しようとしている。目指すのはいわゆる「コンパクトシティ」の実現だ。愛媛大学大学院理工学研究科の倉内慎也准教授(交通計画)は「コンパクトシティ実現の鍵を握るのは、土地利用政策と連動した公共交通網の充実だ」と指摘する。日本の都市は人口減少時代に合った新しい姿に生まれ変わることができるのだろうか。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。


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箕面市が都市機能誘導区域に設定した阪急電鉄箕面駅周辺=大阪府箕面市箕面6丁目(筆者撮影)

否応なく迫られる都市のコンパクト化

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 コンパクトシティとは、都市の郊外への無秩序な拡大を抑え、中心市街地への都市機能再集約を目指した都市政策を意味する。類似した概念としては、英国の「アーバンビレッジ」、米国の「ニューアーバニズム」がある。

 日本では、将来の人口減少と高齢化の進行が予測されたことから、21世紀に入って国土交通省が本格的に提唱、都市政策に採り入れる自治体が増えてきた。大型店の郊外進出などから中心市街地の空洞化が問題となっていたこともそれを後押しした。

 人口が減少する中、無秩序な都市の拡大を続ければ、中心市街地の空洞化にますます拍車がかかるばかりか、高齢化した住民に買い物難民や医療難民を増やしかねない。

 国交省都市計画課は「人口増加がまだ続く大都市圏もやがて減少に入る。それぞれの地域に合ったコンパクトな都市の形を模索し、地域の課題を解消していかなければならない」と狙いを語る。

 コンパクトシティは2014年に閣議決定された政府の骨太の方針、日本再興戦略に盛り込まれた。この方針に基づき、改正都市再生法で規定されたのが立地適正化計画で、医療福祉施設や商業施設を集約する都市機能誘導区域と、居住者を集める居住誘導区域を設定、都市のコンパクト化を推進する。

 国交省のまとめでは、6月末現在で栃木県宇都宮市や兵庫県尼崎市など全国276の自治体が策定作業を進め、うち大阪府箕面市、熊本県熊本市、岩手県花巻市の3市が計画をまとめた。北海道札幌市もほぼ作業が終了しており、近く公表する方向だ。

主な地方自治体の立地適正化計画策定状況(6月末現在)
自治体名作成状況取り組み
大阪府箕面市策定2016年2月計画公表
熊本県熊本市策定2016年4月計画公表
岩手県花巻市策定2016年6月計画公表
北海道札幌市作成中2016年1月からパブリックコメント募集
青森県弘前市作成中2016年3月素案作成
栃木県宇都宮市作成中2016年3月素案作成
埼玉県毛呂山町作成中2016年2月からパブリックコメント募集
神奈川県藤沢市作成中2016年3月からパブリックコメント募集
富山県富山市作成中2015年10月から立地適正化計画検討委員会開催
富山県小矢部市作成中2016年5月概要作成
岐阜県岐阜市作成中2016年6月からパブリックコメント募集
兵庫県尼崎市作成中2016年6月からパブリックコメント募集
愛媛県松山市作成中2015年7月から立地適正化および交通網形成検討協議会開催
福岡県飯塚市作成中2016年6月からパブリックコメント募集
出典:国土交通省都市計画課資料などから筆者作成

大阪府箕面市と岩手県花巻市の取り組み

 全国自治体のトップを切って2月に計画をまとめた箕面市は、市南部と北部に居住誘導区域を設け、南部居住誘導区域内に3カ所、北部居住誘導区域内に1カ所の都市機能誘導区域を設定した。

 中心市街地を含む南部の都市機能誘導区域は、現在運行中の阪急電鉄、大阪モノレール沿線とともに、箕面市萱野地区まで延伸事業が進む北大阪急行電鉄沿線とした。

 路線バスは現在、鉄道の終着駅がある主に南の豊中市や吹田市方面へ運行しているが、鉄道延伸に合わせて新たに都市機能誘導区域間を結ぶ路線を設け、市内の交通網を充実させる。

 箕面市は4月末で人口13万5,000人。中央部に北摂山系が広がり、市の3分の2を森林が占める。大阪市のベッドタウンとして発展し、今も人口増加が続いているが、2025年をピークに減少に転じるとみられている。

 箕面市まちづくり政策室は「北大阪急行の延伸で市内の交通網が大きく変わる。それに合わせてより暮らしやすい街に変え、将来の人口減少にも備えたい」としている。

【次ページ】「多極ネットワーク型」が主流に

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