- 2012/05/22 掲載
「戦略をその場で変えられることが重要」SAS、ビッグデータの新戦略と新技術を発表

代表取締役社長
吉田 仁志氏
その結果、企業は「やることが増えたにもかかわらず、やるべき期間は短くなった」。これを解決するには、「改善ではなく、ゲームチェンジが求められる」。そのためには、いかにビッグデータを捉えるのかが重要だとの見解を示した。
吉田氏は続けて、ビッグデータを企業変革の力に変えるカギが、「(価値ある)情報に変える能力」、「リアルタイムでつなげる能力」、「イノベーションを起こす能力」の3つであると説明した。
中でもリアルタイムでつなげる重要性について、「ただパフォーマンスが良くなったことが重要なのではなく、その結果を受けて、戦略をその場で変えられること、これが一番のポイント」だと説明した。
こうした背景を踏まえて、SASではビッグデータ分析(同社はこれをビッグアナリティクスと呼ぶ)で、ハイパフォーマンス分析、クラウド、情報管理、ビジネス可視化の4つの領域にフォーカスしていく考えを明らかにした。
このうち、今回新たに発表したのが、ハイパフォーマンス分析の領域における新技術、インメモリ分析エンジン「SAS LASR Analytic Server」だ。この技術は、スケールアウト型のインメモリ分析処理技術で、業界標準のブレードサーバで展開できるというもの。データが増えた場合でも、ブレードを追加することで「無限に拡張できる」うえに、HDFS(Hadoop Distributed File System)などのファイルシステムにも対応する。
さらに同技術を搭載した製品の第1弾として、データ探索製品「SAS Visual Analytics」を提供する。同製品は、大量データをアドホックに、ビジュアルに、簡単かつ高速に分析できるソフトウェア製品で、iPadなどのモバイル製品にも対応する。
直観的な操作性を実現するため、データを見る上で最適なグラフを自動選択する「自動チャート化機能」や、地図、散布図、ヒートマップなどの多様な形で展開可能な「ビジュアルデータ探索機能」、階層のドリルダウンが簡易な「多次元分析機能」などを備えた。ビジネス開発本部 Information Management & Analytics グループ 担当部長の畝見 真氏は「ビジネスユーザーに気付きを与える製品」と説明した。
「SAS Visual Analytics」の最低構成(8ブレード)での参考価格は2,000万円。7月には日本語版が、それと同時にEMCとテラデータよりアプライアンスモデルも提供される。また、年内をめどにAndroid対応、年明けにはクラウドサポートなどが行われる見込み。「SAS LASR Analytic Server」は、今後のハイパフォーマンス分析製品ラインナップに加わっていく予定で、「SASの投資的にも力の入っている製品」(ビジネス開発本部長 須部恒氏)となっている。
文中で一部が誤って表記されていました。本文は修正済みです。ご迷惑をおかけした読者ならびに関係者にお詫び申し上げます。
(誤)SAS Visal Analytics
(正)SAS Visual Analytics
(誤)SAS LSAR Analytic Server
(正)SAS LASR Analytic Server
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