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  • 2014/08/06

EUとの国際連携も模索、スマートプラチナ社会は超高齢化の課題を解決できるか(前編)

日本は世界一の長寿国であり、医療・介護・健康分野など、超高齢社会に対する喫緊の課題に直面している。このような社会的課題を解決していくために、いま期待が高まっているのがICTの力を活用した「プラチナ社会」の実現だ。日本において高齢者に対して「シルバー」という言葉を使うが、金や銀よりも価値のある「プラチナ」という意味を込めてつくられたこのキーワードが意味するものとは何か。先ごろ開催された世界ICTサミット2014では、国内外から有識者が招聘され、ICT活用のノウハウなど、プラチナ社会の実現に向けて情報交換が行われた。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

人類初の現実的なグローバル空間の活用が未来を決める

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総務省
情報通信国際戦略局長
阪本 泰男氏
 日本では高齢者に対して「シルバー」という言葉を使うが、金や銀よりも価値のある「プラチナ」という意味を込めてつくられたのが、「スマートプラチナ社会」というキーワードだ。総務省では、平成26年度のICT利活用の重点政策推進にあたって、この言葉を掲げている。

 世界ICTサミット2014に登壇した総務省の阪本泰男氏は「ICTによる地球的課題解決への挑戦」と題した基調講演を行った。

 世界の人口は2011年には70億人に達し、2050年には93億人になると予測されている。阪本氏は「人口増加は、温暖化、医療、エネルギー・鉱物資源、水・食糧など、地球的な規模で課題を突き付けているが、これらの課題は日本1カ国では解決できず、世界的な連携が求められる」と述べた。

 人口増加の一方で、2000年ごろからICTの著しい進展により、インターネットや携帯電話を利用する人が増え始めた。2012年現在、携帯電話ユーザーは62億人もいるが、特に新興国の伸びが著しく、ユニークな利用法も登場している。

「ケニアでは銀行口座を持たないモバイル送金ユーザーが2300万人もいる。ナイジェリアは1000万人の農民に携帯電話を配布し、天候・肥料・市場価格などの情報を流通させる計画だ。シェラレオネでは感染症予防情報を携帯に送信している」(阪本氏)

 日本では2004年ごろから、ユビキタス・ネット社会を提唱してきた。実際に2025年には50億人がインターネットに接続すると予測され、人類初の現実的なグローバル空間が出現する。国境を越えた大きな情報の流れが現れているのだ。

「距離と時間を超越するICTのポテンシャルを利用すれば、かなりの問題を解決できるだろう。グローバル空間の活用が我々の行く末を決める。各国間で情報を自由に流通させることが極めて重要だ」(阪本氏)

病院を相互に結ぶネットワークデータを集約し、利活用を進める

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総務省
政策統括官
吉田 靖氏
 基調講演に続き、各パネリストによりプレゼンテーションが行われた。

 モデレーターを務めた総務省の吉田靖氏は「超高齢化社会の到来は日本だけではない。欧州・アジア諸国も続いて超高齢化社会に突入していくため、同じ課題をともに解決していく必要がある。こうした課題を取り組む各機関の識者を招き、国際連携のヒントを探ることが本セッションの目的だ」と述べた。

 吉田氏は、日本国内の取り組みについても触れた。医療分野はデータ利活用に疎いと思われていたが、いろいろな可能性があるという。

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「病院単体のIT化は進められてきたが、それをネットワークとして結んでデータを集約すれば、全国レベルでデータを利用できる。一方、患者側ではデータを健康増進に役立てられる。同じ疾病をもつ人のデータを比較することで、パーソナライズ化したアドバイスも可能だ。高齢化により在宅医療や介護の問題が出てくるため、関係者間での情報共有をさらに進めていかなければならない。治療だけでなく、日々の生活データも収集し、活用できるかもしれない」(吉田氏)

【次ページ】オリンピックも大事だが、高齢化社会のロードマップも重要

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