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  • 2015/12/18

徳島市の音楽芸術ホール建設、紆余曲折のコンパクトシティ化は成功するのか

阿波踊りで知られる徳島県徳島市の中心商店街・新町地区で再開発計画が進んでいる。地元の新町西地区市街地再開発組合(森竹義浩理事長)と市が進めている新町西地区再開発事業で、音楽芸術ホールを核にして地域の再生を図ろうという計画だ。しかし、資材の高騰などを理由に総事業費が大幅にはね上がったうえ、ハコモノで地域の活性化は図れないとして反対運動も活発になっている。この再開発計画で本当ににぎわいを取り戻せるのだろうか。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。

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音楽芸術ホールを核とした再開発計画が進む徳島市の新町西地区=徳島市新町橋1丁目
(写真:筆者撮影)

音楽芸術ホールと川の駅を整備

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新町西地区再開発の完成予想図(徳島市提供)
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 市再開発推進室などによると、再開発用地は徳島市西新町、新町橋、西船場町にまたがる1.8ヘクタールで、再開発は2街区に分けて進められる。新町川沿いの北側街区には鉄筋コンクリート4階建て延べ約3,000平方メートルの建物を建設し、300席の小ホールや商業施設、周遊船が発着する川の駅などを設ける。

 南側街区の建物は鉄筋コンクリート地下1階地上5階一部3階建て延べ約1万7,000平方メートル。1,500席の大ホールを中心に商業施設や住居を配置する。総事業費は225億円。2016年度中の着工、18年度中の完成を目指している。

 再開発ビルは再開発組合が建設し、市がホール部分を買い取る。市の負担額は181億2,000万円となる見込み。増加する市の負担分については、市債を発行してまかなうことにしている。

 総事業費は2012年の都市計画決定時に154億円と見積もられていた。それが14年の再開発組合発足時に168億円に増額され、今年8月に225億円にはね上がった。市は労務単価や建設資材の高騰を主な理由としているが、雪だるま式に事業費が膨らむのは、今年大問題となった東京の国立競技場と同じだ。

 原秀樹徳島市長は記者会見で「大きな額だと思うが、やむを得ない」と述べたが、これまで計画を推進してきた市議会の保守系会派が反対の意向を示したほか、来春予定の市長選に計画反対を掲げる2新人が出馬の意向を示すなど、批判の声が高まっている。

 新町地区はJR徳島駅から500メートルほど南にある市の中心商店街。新町西地区のほか、東新町1、2丁目、籠屋町、銀座など多数の商店街が連なり、終戦後から県内一の繁華街としてにぎわっていた。

 しかし、JR徳島駅前への大手百貨店進出や郊外型ショッピングセンターの相次ぐ開設、本四架橋による京阪神への買い物客流出で、最盛期の1970年代に4万人あった休日の通行量が、2012年には20分の1の2,000人足らずまで減少した。

 このため、地域の核店舗となってきた地元百貨店、大手スーパー、大型ファッションビルが相次いで閉店したほか、営業中の小売店が半減、シャッターを下ろした店と空き地が目立つ状態となっている。

徳島市の新町西地区再開発と音楽芸術ホール建設計画の経緯
出来事
1993小池正勝前徳島市長が音楽芸術ホール新設を公約に掲げて当選
1995ホール建設場所に徳島市中徳島町にある移転予定の市立動物園が浮上
2003徳島市音楽芸術ホール推進検討市民会議が発足
2004原秀樹現市長が当選
市民会議が市立動物園跡地にホール建設を提言
2005原市長がホール建設場所を再開発予定の新町西地区とすると発表
2008飯泉嘉門徳島県知事が、ホールと商業施設を核とする再開発計画に対し、都市計画への同意を拒否
2009規模を縮小した再開発計画の検討を開始
2012再開発計画を都市計画決定
2013再開発計画の是非を問う住民投票条例案を市議会が否決
2014新町西地区市街地再開発組合の設立認可
2015再開発計画の一部事業変更
(出典:徳島市)
【次ページ】市はコンパクトシティ化も念頭に置くが…

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