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2016年04月07日

グローバル経営者に伝える日本の弱点(5)

グローバル経営者に伝える日本の弱点 -これが世界のトップ主導のグローバル営業改革だ

今、経営者に求められていることは何か。命題解決のために経営の基本的な考え方(モデル)を考え、実行することだ。経営者が主体的にモデルを創造し、実行しなければ、本当の意味で経営は改善されない。経営者によるモデル構築がなければ、現場任せの一貫性に欠ける、その場しのぎの「仕組み改革」が繰り返されることになる。日本企業がグローバル企業と戦うために必要な経営とは何か。アクト・コンサルティング取締役経営コンサルタント野間彰氏が解説する。


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世界規模で行う営業改革とは


欧米企業の営業の武器、受注額予測

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アクト・コンサルティング
取締役 経営コンサルタント
野間 彰氏

――今回は、経営トップ主導によるモデル改革について、具体的な進め方を事例としてお話し頂けるそうですが。

野間氏:はい。前回、日本のグローバル企業で、世界中に類似する機能や拠点、リソースがダブっている問題。そして、グローバルな顧客情報や営業努力が分散したまま力を結集できないでいる問題をお話しました。今回は、この営業をテーマに、経営トップ主導のグローバル営業改革の事例をお話します。

――欧米と日本の営業改革には、差があるのでしょうか?

野間氏:B2B事業を営む日本の大手企業で、グローバル営業改革について、欧米競争相手とのベンチマークを行いました。ベンチマークした欧米企業は、日本の企業と同じITツールを使っていましたが、営業改革の視点で見ると、いくつかの点で日本企業に遅れがみられました。

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 例えば欧米競争相手は、国、事業を超えて、営業プロセスがグローバルに標準化され、営業状況がルール通りに報告され、そこから見積書を出したら何%、内示を得たら何%というように受注確率が計算されることで、常にかなり先まで、事実に基づいて受注額を予測し、これと営業目標の差を明確化することが出来ていました。

 一方日本の大手企業は、一部事業、一部の国、あるいは一部の支社でそのような標準化は出来ていましたが、ルール通りに確実に営業実績が報告されていない場合もあり、グローバルに事実に基づく目標と予測の差を把握することは出来ていませんでした。

 欧米競争相手は、毎週、営業パーソンとマネージャー、マネージャーと部長、部長と本部長というように、各階層で先の事実に基づき、目標達成のための施策を考える会議を回していました。事実に基づく受注予測情報は、顧客、事業、商品、営業組織など、色々な切り口で見れますので、四半期目標が達成できないボトルネックはこの商品だ、この顧客の案件が先週から進捗が進んでいない、といったことを、どの階層の会議でも自由に参照できました。

経営者は営業課題を現場任せにしていないか

――欧米の先行する企業はすごいという気もしますが、そこまでやって意味があるのかという気もします。管理も必要ですが、営業パーソンの自主性も必要ですよね。

野間氏:日本人がそう考える傾向があることは理解できますが、悠長に構えていられる状況にはないと思います。

 例えば、市場環境が変化して、ある商品の売上が今後鈍化していくとします。営業現場では、見積書を出そうとしていたら少し待ってくれと言われたり、内示が出た後で正式発注に至らなかったりといった変化が起きている。欧米企業は、その差を事実に基づいて週次で把握できる。そうすれば、価格政策を見直すなどの施策を機動的に実施できます。日本企業の場合、グローバルに標準化が徹底できていなければ、市場変化を察知できるのは月次の受注実績が何回か出た後になるかもしれません。施策が数か月遅れる脅威があるわけです。

――なるほど。確かにこの差は大きいですね。何故このような差が生まれるのでしょうか。

野間氏:営業改革に関わる基本的な考え方、本連載でモデルと呼んでいるものの差が大きいと思います。この日本企業の場合、営業改革のモデルは、「グローバルに営業状況が分からない。だから、見えるようにしよう。そうすれば優秀な社員がいろいろと考えて、もっと総合力を発揮する」というものでした。見えるようにするというモデルは、現場の問題と理解されてしまい、IT部門や改革プロジェクトに実現は任され、経営者は殆ど関与していませんでした。

 一方で欧米競争相手は、営業力をグローバルに結集するという命題に対して、日本とは異なるいくつかのモデルを併用していました。

【次ページ】明暗を分ける日本企業と欧米企業のモデルの違いとは

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