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  • 2017/02/24

ベトナム進出を目指す経営者必見、「人事管理体制拡充方法」と「経営者の心構え」

世界14位、東南アジア3位である約9000万の人口を持つベトナム。そのGDPは1990年代から順調に成長を続けており、進出を考える経営者・起業家も多い。しかし、そこで問題となるのが、現地の状況把握だ。前回、日本とホーチミンで料理人として経験を積み、現在、ハノイでレストラン「PéPé la poule(ペペ・ラ・プール)」を経営するオーナーシェフの増田 悠氏に、ベトナムでビジネスを始めた経緯を聞いた。今回は、ベトナム進出を目指す経営者が知るべき「人事管理体制の拡充方法」と、「経営者としての心構え」を聞く。

エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二

エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二

東京大学法学部卒。金融機関、Big4系列コンサルティングファーム勤務等を経て現在、株式会社ファルチザン(http://financialartisan.com)の代表として、エクシール・エフ・エー・コンサルティングの中小企業、スタートアップ組織、個人事業者向け海外進出支援事業に取り組んでいる。公益財団法人日印協会会員。ニューハンプシャー州公認会計士。日本CFO協会グローバルCFO(米国CTP)。

photo
PéPé la poule
オーナーシェフ
増田 悠氏


前編はこちら

人事管理体制の拡充

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――従業員管理はどのように行っていますか。

増田氏:PéPé la pouleの従業員は30人いて、そのうちフルタイムの正社員が8人で残りはパートです。正社員は月給制で休日はレストランの定休日の火曜日と週2回の半休です。

 そして半年に1回、50項目の5段階評価で全従業員を評価します。評価項目は、これまで5、6個でしたが前回9月から増やしました。自己評価プラス僕とマネージャーからの評価を行って、僕が個人面談をします。自分はこういう分野はあまり得意ではないこともあり、全従業員の5段階評価の全項目の点数を平均するという作業は、やりだすと結構大変でした。

――人事評価システムをきちんと作られているわけですね。

増田氏:以前は自分が現場で働く側だったこともありフィーリングでマネジメントしてきましたが、ネットでいろいろ調べたりして始めました。パートを含めた全従業員の賃金が毎年5%は上がるような仕組みにして、従業員のやる気を高める工夫もしています。レストランの仕事は厳しいと思うのですが、みんなすごくよく働いてくれています。一方で、仕事が厳しいのでなかなかフルタイムの従業員が集まらず、ずっと人が足りない状態が続いています。

――30人いても足りないのですか。

増田氏:足りないですね。パートは学生も多く、忙しいときは来られなかったりするので、フルタイムの正社員を、もっと増やしたいです。月に1回、定休日の火曜日を使って、おいしいところに食事に行くので来てくれと言ってマネージャー8人でミーティングを開いてさまざまな目標を共有し合うのですが、来年までに8時間労働の2部制にして、12時間の店舗営業をカバーできるようにフルタイム正社員を増強する目標を立てました。

――2部制ですか。相当、人数を増やさないといけませんね。

増田氏:そうです。いずれ人事部も作ろうと思っています。

――30人のうち日本人は何人いるのですか。

増田氏:開店から立ち上げの1年半、自分の高校時代の友達がコックで1人来てくれていた後は、ずっと自分1人でしたが、3か月前にマーケティングマネージャーとして1人、他のメインの仕事をしながら週2回3時間くらいで、管理の仕事をしてくれる人が来てくれるようになりました。その方が来てくれて、ずいぶん体制がしっかりしてきました。

――オフィススペースはどこにあるのですか。

増田氏:この建物の4Fです(インタビューは屋上のテラスで行われている)。自分がもともと住んでいたところです。以前は日本人のコックの友達も、同じフロアの別の部屋に住んでいました。彼は帰国して、なぜか今、大工をしています。2店舗目ができることになったらマネジメントしてくれないかと誘っているところですが。

立地の影響も受ける採用活動

――人集めは、どのようにしていますか。

増田氏:従業員の家族・親族や知り合いからの紹介が多いです。信用に基づく人と人のつながりで来てくれるのがメリットなのですが、互いにつながりのある人が増えてしまうと、辞めるときに一気に辞められるリスクもあります。

 本当に、このエリアは人集めに苦労します。近くに学校があるわけでもなく、通勤にも不便です。マネージャーや従業員に誰か紹介してくれと言って募集するのです。一方、フェイスブックで募集をかけても、ぜんぜん引っかかったことがありません。ホーチミンの時は日本人や学生が多いメイン通りで店を開いていたので、店の前で1日貼り紙をしておけば、すぐに集まってきて楽でした。

 それに対して、富裕層の多いこのエリアでは店の貼り紙はまず見られませんね。学生もまずここまで来ないし。経理の担当者はバイクで1時間くらいかけて来ているのですよ。

 応募してくる人たちは、英語ができると言って応募してきます。英語が少しはできるのに「できないんです」という日本人と違って、ベトナムの人は、英語ができなくても「できる」ように履歴書の内容を盛りがちです。これには閉口しますが、何事にもトライしようとする気構えですね。

 最初は外国語が全くできなかったサパというところの少数民族の人が2年くらいして英語や日本語でお客さまとコミュニケーションができるようになったケースもあります。失敗を恐れず前向きに取り組むので上達も早いです。

――富裕層の多いエリアだということですが、お客さんはどのような人たちですか。

増田氏:お客さまは日本人6割、西洋人3割というようにほとんどが外国人です。あとは、先ほど言った日本人のマーケティングマネージャーが韓国系の企業に勤めている関係で、韓国語マガジンに当店を掲載してから、韓国人のお客さまも増えていますね。

――ベトナムは、短期に次々と仕事を移る、いわゆるジョブホッピングは見られますか。

増田氏:一般に多いと言われていますけど、当店では結構みんな長く働いてくれています。フルタイム社員は全員、開店からいる人たちです。パートについては、基本的に面接で不採用にはせず応募したら受け入れて、現場で揉まれたうえでイヤになったら出ていってもらい、続けられると思った人だけが残るという感じです。

【次ページ】ガッツ、ポテンシャル、夢のあるベトナムの若者

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