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  • 2017/12/11

世界最大級の人事コンサルに聞く、企業は人工知能をどう受け入れるべきか

休暇の取り方から退職率も予測可能に

「将来的に人間はAI(人工知能)に仕事を奪われてしまう」と懸念する声を最近、数多く耳にするようになった。これに限らず、さまざまなテクノロジーによる破壊的なイノベーション(デジタル・ディスラプション)に関する話題が急激に増えている。そうした中、企業はどう組織を構成し、人材を育成・確保して成長(Thrive)していくべきなのか。世界最大級の組織・人事コンサルティング会社であるマーサーのパートナー グローバルプラクティスリーダーであるケイト・ブレイブリー氏に話を聞いた。

(聞き手:ビジネス+IT編集部 松尾慎司)

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マーサー
パートナー
グローバルプラクティスリーダー
ケイト・ブレイブリー氏

人の仕事をAIが奪う未来はやってくるのか?

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―― AIを始めとするテクノロジーが人間に取って代わる、あるいは雇用を奪うという見方もありますが、実際のところどうなのでしょうか。

ブレイブリー氏: AIや機械学習、ブロックチェーンなどの革新的な技術は、これからのすべての仕事に影響を与えると思います。AIが人間に取って代わることができる仕事を見れば、その分野での雇用は減るかもしれません。一方、これらの技術によって雇用が増加する仕事もあると認識しています。

 雇用が減る仕事としては、製造業やサービス業、法律・会計関係、人事関連などが考えられます。雇用が増加する分野としては、IT関連はもちろんのこと、戦略的なリーダーシップが必要だったり、あるいは何か新しい創造的なものを生み出したりするような仕事が挙げられます。

 全体的に捉えると、実は仕事の総数が減るとは考えてはいません。

 もう一つ付け加えたいのは、今後は仕事というもの自体の考え方がまったく違うものに変わるということでしょうか。技術革新によって、より無駄なことを省いていく仕組みへと大きく変わると考えています。

日本における人材育成・獲得の課題とは?

――ビジネスを取り巻く環境の変化が速すぎて、多くの企業がそれに追いつけていないのが現状だと思います。そうした仕組みは本当に実現可能なのでしょうか。

ブレイブリー氏: まさしく多くの企業が一番懸念している課題だといえます。組織として進むべき方向性が見えない状況に直面しているのです。あらゆる変化が一度に起こっているのですから。

 私たちは「2017年 グローバル人材動向調査(Mercer Global Talent Trends Study)」を毎年実施しています。この調査では、経営層や人事部門、従業員の3つのレイヤーに対して人材育成や組織の在り方などについて尋ねています。2017年の調査では、デジタル時代における激しい変化について、多くの経営層が「変化への機敏性を備えていない」と回答しています。その要因としては、組織にとってより戦略的な役割を担う人材の確保が難しいことが挙げられます。

 この点は、特に日本における大きな課題ではないでしょうか。日本の中途採用市場の規模はそれほど大きくありません。また、契約社員や派遣社員などの形態で労働力を確保することが頻繁に行われている一方で、より戦略的な役割を外部にアウトソーシングすることには慣れていません。

 現時点での変化に対応する人材を確保しながら、これから先を見据えて必要となる人材を育てたり、獲得したりする必要があります。その両立が難しいのは言うまでもありません。

 また、日本でも近年、働く時間や働く場所、休暇の自由度を高めた働き方「フレキシブル・ワーキング」が取り入れられるようになりました。政府が主導する「働き方改革」などの後押しもあって、残業時間を減らす施策を行う企業が増えています。

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日本企業が2018年に注力したい分野

 しかし、実際には「有給休暇を取りたくても取れない」「上司や部下の手前、早く帰りづらい」といった社内の雰囲気がまだあるようです。また、今後減る仕事の中には、就労者の女性比率が高かったり、就労希望者が女性に多い職種が含まれています。何も手を打たないと、女性の社会参画率がどんどん低くなることも予想されます。

【次ページ】若手人材を惹きつけるために必要なこと

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