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  • 2018/05/31 掲載

ハノーバーメッセ2018徹底解説レポ:日本と似ている?小規模高シェア中小企業の課題

連載:第4次産業革命のビジネス実務論

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ドイツで毎年開催されている産業見本市「Hannover Messe 2018(ハノーバーメッセ2018)」が、4月23日から27日にハノーバー国際見本市会場にて行われました。ドイツの「インダストリー4.0」のコンセプトは2011年のハノーバーメッセで発表されており、近年、インダストリー4.0やデジタル製造技術の進捗確認の場としてますます注目を集めています。今回から何回かに分けて、ハノーバーメッセ2018の詳解レポートを掲載します。今回はハノーバーメッセ2018の概要と、日本企業を中心とした代表的な出展内容を紹介します。

東芝デジタルソリューションズ 福本 勲

東芝デジタルソリューションズ 福本 勲

東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 担当部長
東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター 参事
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。1990年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げやマーケティングに携わり、現在はインダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の編集長をつとめる。2015年よりインダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)正会員となり、教育普及委員会副委員長、エバンジェリストなどをつとめる。その他、複数の団体で委員などをつとめている。主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』『デジタルファースト・ソサエティ』(いずれも共著)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。

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出展企業約6,500社、来場者22万人以上という世界最大規模の産業見本市だ


IoTでは相互運用性を高めたオープンなシステムに注目

 ハノーバーメッセ2018のメインテーマは「Integrated Industry ─ Connect&Collaborate」。今年は物流とサプライチェーンの展示会である「CeMAT 2018」との共同開催となり、物流を加えることでインダストリー4.0のバリューチェーンが完成することを訴求していました。

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 昨年と一昨年は、「インダストリー4.0のエコシステムの中核を志向する企業」が、IoT情報を自社内の産業機器や自社が提供する社会インフラなどから収集、利用するようなデモ展示に注目が集まりました。

 今年は、各社とも機器・設備や工場がIoTで「つながる」ことを前提としており、クラウド側とエッジ側での処理の分散、特に「エッジ・リッチ」といわれる設備・機器に近い環境で高度な処理を実現する展示が多かった印象です。

 また、さまざまなプロトコル対応によりインターオペラビリティ(相互運用性)を高めた「オープン」な形でのシステム結合の実現や、AI、xR(VR/AR/MR)を活用したソリューション、その活用事例などが複数社より提示され、事例もより具体的なものとなっていました。

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生産ラインでモノを流すコンベヤーの代わりにAGVを用いて柔軟な生産ラインを実現するオムロンのデモ
 IoTプラットフォーム、エコシステムを訴求した展示は、ほぼシーメンスの「MindSphere」に絞られました。MindSphereはAWS版をリリースし、ユーザー会を立ち上げるなど、技術面だけでなく事業面も含めて進展しているようです。

 ロボティクス分野では、産業用ロボットメーカー各社が、人とともに働く協働ロボットやコンシューマー向けのサービスロボット、屋内での自律制御型の自動搬送車(AGV)などの展示を行っていました。

 たとえば、「KUKA(クーカ)」では、双腕ロボットが一方の手でグラスを洗浄し、もう一方の手でビール瓶を持ちグラスに注ぐデモを実施。グラスを傾けて、ビールを八分目くらいまで注いだ後、ビール瓶を軽く振って作った泡をのせるというキメ細やかなサービスまで行っていたのは印象的です。

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KUKA(クーカ)は双腕ロボットがビールをサービスするデモを展示(写真は最後に泡をのせるところ)


 同じように、ABBや川崎重工もロボットのデモを行っており(関連記事)、オムロンはAGVの展示を行っていました。AGVが自由に工程間を動き回り、ワークに必要な工程間を移動しながら製品を完成させていきます。

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ABBでは左腕で箱を組み立て、右腕で箱にノベルティを入れてサービス


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川崎重工では、ロボットがカップをベンディングマシンに入れ、コーヒーが注がれた後コーヒーを取り出してサービス

物流ではサプライチェーンの「デジタル結合」が目を引く

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大規模な展示となったトヨタL&Fのブース
 同時開催された「CeMAT 2018」のメインテーマは「Connected Supply Chain Solutions」で、先進企業の展示では、サプライチェーンのデジタル統合の動きを紹介するものが多くみられました。トヨタL&F(ロジスティクス&フォークリフト)はMaterial Handling(マテハン)で比較的大規模な展示を行っていました(参考記事)。

【次ページ】日本からは80社以上が出展。存在感を増す展示も

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