報道によると、自民党が1月末に作成した案は、(1)候補者や政党に限らず、第三者も含めて電子メールやウェブサイトを使った選挙運動を全面解禁すること、(2)候補者なりすましや中傷行為に罰則を設けること、(3)ネットへの有料広告掲載(バナー広告)を政党に限って認めることを柱として盛り込んでいるようである。 ちなみに我々が作成した民主党のたたき台もほぼ同じ内容とである。
しかしながら、みんなの党の案を見ると大きく違うのは、「ネット投票」も法案の対象としていることだ。
一般的に、「ネット選挙」というと「ネットで投票できる」と思われる方が多いが、我々はまず「選挙期間中に利用できないインターネットを選挙活動に利用できるよう」するものである。
一般的にはあまり意識されていないが、現在の公職選挙法では、選挙期間中(衆議院議員選挙12日、参議院議員選挙17日)は、電子メールやフェイスブック、ツイッターなどインターネットは使えないのである(この点は次回に詳細を書きます)。
上の表にあるように、2010年の各党合意では、電子メールを禁止し、ツイッターもガイドライン度で自粛することにしていた。しかし、今回の総選挙で多数の新しい国会議員が誕生した(なんと約480名中176名が新人だ)こと(選挙経験が数多くある国会議員は古い選挙制度の方が有利であり、ネット選挙活動には否定的)やSNSが普及拡大、また、法的にホームページやブログとSNSを明確に区別することが難しいことから、電子メールだけでなくSNSも解禁する方向になりそうだ。
一方、いくつか議論になりそうな点を上げると、(1)電子メールをオプトインとオプトアウトの両方をみとめるかどうか、(2)候補者なりすましや中傷行為に罰則を設けるか(民主党、自民党も現状では設ける方向)、(3)政党の有料ネット広告(候補者個人は選挙に使える資金の枠が決まっているが、政党は枠がないため、政党の資金の多寡が影響)を許可するか、などがある。
色々と詰めるべき点はあるが、慎重かつ迅速に議論を進めて行きたいと考えている。