• 2014/05/14 掲載

CRM市場が前年比17.6%の大幅増 DMPやマーケティング・オートメーション需要が後押し

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矢野経済研究所は14日、国内のCRM パッケージライセンス市場に関する調査の結果を発表した。これによると、2013年のCRMパッケージライセンス市場は、前年比17.6%増の320億5,000万円(エンドユーザー渡し価格ベース)だった。調査によれば、2014年もビッグデータにCRMを紐づける需要は増加し、マーケティング・オートメーションやDMP(Data Management Platform)という新たなソリューションが牽引する形でCRMに対するIT投資は継続するという。そのため、2014年以降もCRMパッケージライセンス市場は前年比10%増前後の成長を維持し、2017年には490億円(同)に達すると予測した。
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CRMパッケージライセンス市場規模推移と予測
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 2013年のCRMパッケージライセンス市場は前年比17.6%増の320億5,000万円(エンドユーザー渡し価格ベース)だった。

 2013年は、アベノミクスの影響もありユーザー企業のIT投資が活発化した。CRMへの投資も各ベンダーには大型案件が持ち込まれ、開発要員が不足となるケースもあるなど投資は前向きに行われたという。同時に、これまでCRMは投資対費用効果を実感しにくいため、ユーザー企業におけるIT投資の優先順位が低かったが、2013年にビッグデータという言葉への認知度が高まるとともに、ビッグデータを活用したOne to One マーケティング(顧客1人1人へ異なるアプローチを行うマーケティング手法)が注視されたことも市場伸長の一因となった。

 2014年もマーケティング・オートメーションやDMP(Data Management Platform)という新たなソリューションなど、ビッグデータとCRMを紐づけたマーケティングへの需要が拡大し、CRMへの投資は継続するという。

 しかし、CRMではクラウド化や価格競争が進んでいることなどから伸長の幅は2013年を下回り、2014年のCRMパッケージライセンス市場は前年比13.1%増の362億6,000万円と予測した。

 その後も、ビッグデータにCRMを紐づける需要の増加を背景に、市場は年10%増前後の成長を維持し、2017年のCRMパッケージライセンス市場は490億円(同)に達すると予測した。

 注目すべき動向としては、大きく2つあるという。ビックデータを活用したマーケティングが展開され始めたことで、これまでの顧客属性や購買履歴だけでなく、Webログやメールの開封、クリック状況などの行動履歴の分析が可能となり、ユーザー企業においてはビックデータに紐づいたCRMへの期待が拡大している。

 こうした新たな潮流といえるのは、マーケティング・オートメーションとDMPである。マーケティング・オートメーションは、顧客との営業やりとりを可視化するだけの従来型SFA(Sales Force Automation)には無い、展示会や資料請求で得たリード(見込客)情報を如何に育成(ナーチャリング)するかをシステム的に管理するソリューションとなる。これは、潜在顧客としてのリード(見込客)情報を如何にセグメンテーションし、商談化まで持ち込み、売上拡大につなげるかが鍵となるが、日本における成功事例も増加基調にあるという。

 また、DMPによる顧客の行動履歴の一元化も、ビックデータに紐づいたCRMには欠かせない要素となる。DMPは、ユーザー企業が保有する顧客データと販促キャンペーンなどのマーケティング活動で得た実名・匿名のデータを紐づけ、最適なタイミングで広告配信をするなどマーケティング活動を支援するソリューションとなる。

 MarketingやAnalyticsなどのCRMソリューション分野において、こうした新たなソリューションが生まれることで、One to One マーケティングや見込み顧客の育成がはかられ、売上拡大実現のための深耕につながっていくと矢野経済研究所では考えているという。

 また、2013年のCRMパッケージライセンス市場をソリューション別に見ると、SFAが43.3%ともっとも大きく、Marketingが28.1%、Field Supportが13.8%と続いた。

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CRMパッケージライセンス市場 ソリューション別構成比推移

 SFAでは大企業を中心に外出先などでもオフィス内と同様の業務を行い、生産性を向上させることへのニーズが高まっている。そのため、SFAはCRMの中でもモバイル対応が進んでいる。当該ソリューションのトップシェアベンダーがモバイルに注力する方針を明らかにしていることもあり、SFAのモバイル対応は引き続き加速していくという。また、今後、中堅・中小企業における業務用スマートデバイスの導入が進むことでモバイル対応への勢いにさらに弾みがつく。

 一方、ビックデータに紐づいたCRMソリューションである、MarketingやAnalyticsのシステムも好調だったという。2012年と比較すると、市場全体に占める構成比は、Marketingが25.9%(2012年)から28.1%(2013年)に2.2ポイント増、Analyticsは6.6%(2012年)から6.9%(2013年)に0.3ポイント増となった。この傾向は、2014年も続くという。

 調査は2014年1月から4月にかけて、国内CRMベンダーを対象に行われた。研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングを併用した。

 調査の詳細な結果は「CRM 市場の実態と展望2014」としてまとめられている。

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