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  • 2016/03/01

「スタートアップ・インディア」始動、インド モディ首相流若者支援で起業加速なるか

インドIT最新事情

インドのモディ首相は就任以来、各方面で強力なリーダーシップを発揮してきた。スタートアップ企業に対する成長戦略にも、それは表れている。モディ首相以前は政府のリーダーシップが弱かったため、新しい試みに付きまとうさまざまな懸念が払拭しきれず、その結果、インドの若い世代の夢を育むようなプロジェクトは成長しなかった。そこで首相は、若い世代が夢を描き、創意工夫をし、その実現に向けての努力をサポートする政策「スタートアップ・インディア」を示した。今回は、1月に発表されたばかりの内容を紹介し、インドのスタートアップの今をリポートする。

執筆:エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー
(訳:エクシール・エフ・エー・コンサルティング 大塚賢二)



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IT革命にどん欲なインド、スタートアップを加速させる施策とは

「スタートアップ・インディア」の全容

 モディ首相は、インドの人口の半数以上が若者であることを根拠に、政府が若い起業家に目をかけなければ、どんな政策であろうと彼ら彼女らの夢を実現する支えにならないと主張した。その主張を下敷きに策定された「スタートアップ・インディア」の19項目を見てみよう。

「スタートアップ・インディア」政策
No.項目概要
1「自律」によるコンプライアンス態勢スタートアップ企業の規制対応にかかる負担を軽減し自律性を重視することで、コア事業に集中してもらうとともにコンプライアンスコストを低く保つ。
2統括機関インド全土のスタートアップ企業の基盤づくりを支援する統括機関を設置し、情報交換や資金援助の拠点とする。
3モバイル窓口アプリの導入2016年4月にもオンライン窓口用のモバイルアプリを導入し、政府や規制当局とスタートアップに関する情報や意見をやりとりできる単一プラットフォームとする。
4特許審査の法的支援や迅速な手続きを低コストでインド政府は現在、スタートアップ企業の知的所有権の認知度を高め、きちんと制度化させるために、低コストで迅速な特許審査の枠組みを検討中。
5スタートアップ企業に対する公的入札参加資格緩和 政府機関や国営企業による案件入札では、参加要件として「これまでの業績」「過去の売上」を問われるのが常だ。しかし、こうした条項はスタートアップ企業の参入意欲を阻害してしまうため、緩和する。
6スタートアップ企業に対する迅速な清算手続き 事業への投資に失敗したら、より利益を生む事業に資本・資源を再投資することが重要だ。そのため迅速で簡素な手続きがスタートアップ事業に適用される。
7「ファンド・オブ・ファンズ」を通した支援インド政府は初年度250億ルピー、今後4年間で1,000億ルピー(約1,600億円)の資金を拠出しファンドを設定する。
8スタートアップ企業への保証 インド一般に根強いスタートアップ企業への懸念を克服し、リスクの高いビジネスモデルを持つスタートアップ企業のチャレンジを促すため、信用保証制度を整備し、こうした企業への銀行融資を促進する。
9キャピタルゲイン減税措置投資先の売却によるキャピタルゲイン稼得を活性化し、スタートアップ企業への投資を促進するのがインド政府の目論見。政府が認めるファンド・オブ・ファンズの初年度キャピタルゲインに減税措置を講ずる方向だ。
10スタートアップ企業への減税措置 スタートアップ起業を促進すべく競争上有利な土俵を準備するため、スタートアップ企業の法人税は3年間減税措置を適用する。インド政府の思い切った政策である。
11公正価値を超える投資に対する減税措置 1961年制定の現行所得税法では、スタートアップ企業が株式発行の際に公正価値を超える価額の対価を受領した際は、その超える分に対して所得として課税対象となっているが、これに減税措置を適用する。
12スタートアップのイベントを開催インド政府は、スタートアップ企業が集まって自らのアイデアを披露し合い、潜在的な投資家、助言者、スタートアップ仲間といった人々とネットワークを深めるためのイベントの国内外での開催を検討している。
13アタル・イノベーション・ミッション(AIM)の立ち上げバジパイ元首相のファーストネームに因んだプロモーションプラットフォームであるAIMでは、「新しいアイデアを持ったイノベーターに対する企業家精神の奨励」「革新的なアイデアを生む機会の提供によるイノベーションの促進」の2点が期待されている。
14官民パートナーシップ(PPP)の活用政府が金銭的に支援しているスタートアップ支援団体をきちんと管理するため、政府がPPPを活用した政策や枠組みを策定する。
15イノベーション・センターの設立スタートアップ支援や研究開発を一段と盛んにするために、政府は国立のイノベーション・センターを31か所設立/拡大する。これによって1,200を超えるスタートアップ企業をカバーできる。
16研究拠点の新たな設立インド政府は、インド経営大学院やインド工科大学といった名門にそれぞれ初期投資として10億ルピー(約16億円)を投じ、計7か所の研究拠点を設立する。
17バイオ分野のスタートアップ促進インド科学技術省バイオテクノロジー局を中心に推進する。
18イノベーションを中心に扱う講座を実施 研究やイノベーションに対する学生の関心を高める。
19スタートアップ支援の公募 政府は世界に通用するスタートアップ支援団体への投資を検討中。手始めに、政府が選定した10の団体に各1億ルピー(約1億6,000万円)の資金援助をし、支援事業の質の向上を図る。
(インド政府公表内容より)
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