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  • 2016/04/20

ライフネット 出口氏と政治経済学専門家 島澤氏が対談、女性と男性の働き方改革

4月1日には、女性活躍推進法も本格的にスタートし、ますます注目が集まる女性の働き方。女性の社会進出が拡大するなかで、待機児童問題が目立ち、「保育園落ちた日本死ね」ブログも国会で取り上げられた。しかし、女性の働き方は女性だけの問題なのだろうか。女性の生き方は女性の働き方を変えれば変わるのだろうか。女性だけでなく、男性の働き方、社会全体の見直しも必要なのではないか。ライフネット生命保険 代表取締役会長兼CEO 出口 治明氏と中部圏社会経済研究所 経済分析・応用チームリーダー 島澤諭氏が対談を行った。

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「待機児童ゼロ」を目指す安倍首相が育児施設(埼玉県和光市)を視察。しかし「待機児童問題」が起きているのは日本に特有な問題。「子どもファースト」な社会への道のりは?(c)共同通信社

「待機児童問題」が起きているのは日本ぐらい。出生率の向上には「働き方」の改革が必須

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出口:失われた20年で、世帯の平均年収が減少していることもあり、奥さんも働きに出ている家庭が増えていますが、「共働きだと子育てにも支障が出るので、出産をためらう女性も少なくない」という主張もあります。そもそも共働きなら男性も育児に参加するのが当たり前ですが、「男性は外で長時間労働、女性は家で家事・育児・介護」という性分業の名残りもあります。

 そこで、他の先進国と同じように原則残業を禁止し、家事・育児・介護を社会全体がサポートしつつ、男女が等しく分担するという新しい文化風土をつくり上げていく必要性が高まっています。残業を禁止すればG7で最低の労働生産性も上がりますから、メリットは大きいはずなのですが。

島澤:他の先進国では「女性が外で働いていても出生率は必ずしも下がらない」というのが常識ですから、外で働きたい、外で働かなければならない女性をバックアップする仕組みをいち早く整えないといけませんね。

出口:OECD加盟国の中で、保育園など子どもの受け入れ施設が足りない「待機児童問題」が起きているのは日本ぐらいです。先生や教室が足りないといって小学1年生を待機させた例は見当たらないので、法律で義務付ければすぐにでも出来るはずです。

 東京の住宅街では、保育園を建てようとすると「子どもがうるさいから昼寝ができなくなる」と文句を言う住民もいるようですが、「子どもは社会の宝」という大原則を踏まえれば、とんでもない話です。高齢者に関する問題も山積みですが、まずは子どもを優先するという認識を社会に定着させていかないといけません。

 洋の東西を問わず、沈む船からおろしたボートには、「子ども→女性→男性→高齢者」の順に乗せるのです。「子どもファースト」は人類共通の大原則なのです。

 また、出生率を上げるには、バリアフリーなど他にも子育てがしやすいインフラの整備が欠かせません。それなりに大がかりな事業になるので政治家が積極的に動かないといけませんが、どうも動きが鈍いように感じます。

 僕は「国会議員は一度、10キロの石を乗せたベビーカーを押して自分で都内を1時間でいいから公共輸送手段を使って移動してみるべきだ」と思っています。実際に体験すれば子育ての大変さ、そしてバリアフリーが不十分であることが、自分事として実感できるはずです。

島澤:現在の日本は、子どもの貧困が社会問題となるくらいの状況ですから、「子どもファースト」な社会が実践できているとはとても言えませんね。

 本書が刊行された後に、これは湧きおこったことですが「保育園落ちた日本死ね」と書かれたブログが多くの共感を呼び、安倍首相の掲げる「一億総活躍社会」と相反する待機児童の問題が国会でも争点となり議論されるようになりました。まさに、小学校入学に対して待機させたという例はないのに、保育園入園ではなぜそれができないのか――このあたりの事情についてはNPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんが、「保育園落ちた日本死ね」と叫んだ人に伝えたい、保育園が増えない理由」に書かれている通りです。

【次ページ】少子化対策と外国人の関係

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