• 会員限定
  • 2016/07/08 掲載

「自動運転車」でキーになる4つの技術はこれだ!

2030年には「350万台以上」出荷

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
人間の運転なしに自動に走行する「自動運転車」に注目が集まる。グーグルが目指すような「完全なる自動運転車」はいつ頃商業化のメドが立ち、それにより法規制の枠組みや、ビジネスモデルはどのように変わるのか。フロスト&サリバン モビリティ部門 シニアコンサルタントの森本 尚氏が、自動運転に関するマーケットのトレンドや、主要な自動車メーカーの取り組みについて解説する。
photo
2030年には「自動運転車」が350万台以上出荷されるという


自動運転車とは何か?市場の動向は

関連記事
 2016年5月に開催された伊勢志摩サミットでも、自動運転機能を持った国産自動車がデモを行ったが、そもそも「自動運転車」とはいかなるものか。

 フロスト&サリバン主催の「GIL 2016:Japan」に登壇した森本氏によると、米国のSAE(自動車技術者協会)では自動運転を5つのレベルに分類しているという。

 このうち「レベル1(運転者アシスト)と「レベル2(先進安全装置の付随としての自動運転)」は手動運転をベースにしており、「レベル3(条件つき自動運転)」「レベル4(高度な自動運転)」「レベル5(完全自動運転)」が自動運転車に定義される。

「レベル3は、操舵や加減速といった制御をシステムが行い、レベル4は、トラブル時など、より高度な制御もシステムが行うようになる。製品化でいえば、現在、レベル2が運用中で、2016年以降は、レベル3でもホットなトピックスが出てくることが考えられる」(森本氏)

 一方、レベル5の完全自動運転は、細かい法規制の枠組みが決まっていないものの、グーグルは、同レベルの開発にフォーカスしている。

画像
SAEによる自動運転の6つのレベル
(出典:automated driving - SAE International)


 では、市場では自動運転についての需要はどれほどあるのか。2015年の日本自動車工業会の調査によれば、自動車を保有している層のうち、自動運転に何らかの関心がある消費者の割合は42%を示した。特に関心が高い層は、「男性の18歳から24歳」と「40歳から60歳のミドルエイジ層」だったという。

画像
四輪自動車保有世帯のうち自動運転に関心がある割合
(出典:日本自動車工業会 調査


 また、自動運転に期待することには、「安全性」を挙げる消費者が60%を超えている一方で、心配事としては、「価格が高さ」「事故のときの責任の所在がわからない」点を懸念する消費者が多かった。森本氏は、この結果について「事業者側の認識と近い傾向を示している」と語る。

 フロスト&サリバンが米国で行った調査では、将来の自動車に「必須な」装備として、「死角検知」「前方の衝突回避、軽減のための自動ブレーキ」などの先進安全装備や、自動運転につながる装備を挙げる消費者が多く、自動運転に対するマインドが高まっている傾向がうかがえる。

画像
未来のクルマに必要な機能
(出典:フロスト&サリバン)


 こうした市場動向を踏まえ、森本氏は「北米では2030年に、350万台以上の自動運転車が出荷されるだろう」との見通しを示した。

自動運転のキーになる4つの要素技術とは

 自動運転技術が商業化されることより、「これまで自動車メーカーを中心に回っていたサプライチェーンが、自動運転技術がキーになることでビジネスの創造的破壊をもたらす」と森本氏はいう。

 自動運転における重要な要素技術として、森本氏は以下の4つのテクノロジーを挙げた。1つ目が、レーザーを用いた距離計測技術である「ライダー(LIDAR)」だ。これは、「3次元の処理技術を用い、自車の周辺の距離を計測、取得できる技術」で、「グーグルの自動運転車に搭載されているようなセンサーは非常に高価だが、今後、よりコストを抑えたセンサーが登場する」ことが考えられる。

 2つ目は、「Active Gated Imaging」と呼ばれる暗視カメラの技術だ。3つ目は、「GPU」と呼ばれる画像処理の技術で「NVIDIAなどが強みを持つ」。

 そして、4つ目が、「ステレオカメラ」の技術で、これは、ボッシュやコンチネンタルといった従来のメガサプライヤーなどが強みを持っている。

画像
自動運転車に必要な4つの技術

 市場トレンドとして、特に米国では、足りない技術を補完しあう動きがあり、要素技術を持った会社がセンサー、画像処理のプラットフォームと提携して、より大きな市場に食い込んでいこうとしている。

「米国の買収提携の動向を受け、今後、日本やアジアでも企業買収や提携の動きが進むだろう」(森本氏)

【次ページ】グーグルやアップルの狙いは何か

関連タグ

関連コンテンツ

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます