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- 2018/10/15 掲載
世界初の5Gサービスを体験、通信サービスを「根本から変える」理由とは
連載:山根康宏のスマートフォン2.0
米国でスタートした5Gサービスで何が変わったのか
ベライゾンの5Gサービス「Verizon 5G」はインディアナポリス、サクラメント、ヒューストンそしてロサンゼルスの4都市で始まった。サービス内容は基本料金が50ドル/月から(ベライゾンの携帯電話契約者か、新規契約者)。加入後3か月間は無料で5G体験をじっくりと試すことができる。ベライゾンは5Gサービス加入者に、Apple TV 4KやグーグルのChromecastを無料で提供する。加えてストリーミングでテレビ視聴ができるYouTube TVも3か月間無料で利用できる。つまりインターネット回線をそのままテレビとして使うことを提案しているのだ。
もちろん、4G回線でもこれらの機器やサービスを使うこともできる。しかし、4G回線であれば放送の視聴中に一時停止してしまったり、画質が急に落ちるといったこともある。対して5G回線ならストリーミング放送が中断されるほどの低速になることはない。
今でも光回線を使えば高速なインターネットサービスを利用することができる。だが光回線を利用するには宅内工事が必要であり、引っ越しの旅に工事を請けるのも面倒なものだ。
それに対してベライゾンの5Gサービスは、CPEと呼ばれる宅内装置を自宅に据え置き、電源をつなぐだけで高速回線を利用できる。このCPEにホームルーターをつなぎ、そのルーターとテレビやPC、スマートフォンやタブレットをつなげば家庭内どこにいても5Gを利用できるのだ。
実効速度は4Gの10倍、テレビはネット配信に
家庭内のインターネットサービスを無線で提供している例はすでに4Gで行われており、日本でもUQがWiMAX2方式で据え置き型や持ち運びできるルーターを販売している。UQは最大758Mbpsと、ベライゾンの1Gbps(1024Mbps)に近い速度を出すことも可能だ。しかし、実際にUQの回線を使ってみると、100Mpbsでもコンスタントに出ることは珍しい。10Mbpsというのが現実的な数値だ。
これに対してベライゾンの5Gは平均で300Mbpsを出すことができる。これがまさに5Gの最大の特徴で、4Gに対して10倍以上の高速通信が可能なのだ。
5Gによるストリーミング放送は4Kの高画質な動画もストレスなく見ることができる。またDVDをレンタルしたり、ネットから映画をダウンロードしてみる必要もなくなる。ちなみに5Gの高速回線なら1本の映画をわずか数秒でダウンロードできる。
しかし、ダウンロードせずとも、5Gなら見たい時にストリーミングで再生して見ることが当たり前のようにできるのである。海外ではテレビをネット配信する動きも加速化しており、5Gの開始は映画やテレビの視聴方法を変えるものになるのである。
【次ページ】5Gによりスマートフォンの使い方が再び変わる?
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