IT投資のCIOの下への集約にしても、外注費の半減にしても、結局CIOがいかに腹を括ってしっかりと決断できるか。関係者を納得させられるかである。小泉氏は、CIOの仕事は、このようなディシジョンであると認識している。
これはシステム部門のメンバーから見ると、CIOは自分達の提案を決断し、失敗した場合の責任は取ることを明言し、必要な予算を獲得し、メンバーの努力を経営に伝えてくれるということである。
たとえばPDMの再構築では、その当時のPDMが保守費に見合う価値を上げていないことを基に、この保守を止めて、保守費3年分を使って、新しい、もっと効果のあるシステムを作ることを決断した。この決断では、保守を止めた間に何か問題が発生すれば、それはCIOの責任であると明言した。小泉氏の部下は、厳しいけれどやりがいがある仕事をしているはずだ。
現在小泉氏は、IT本部の新しい方向を打ち出している。それは、コストセンターからバリューセンターに脱皮することだ。
これまでの活動で、ITコストは大幅に削減できた。ガバナンスも強化して、このコストが大幅に上ることはないはずだ。そこで今後は、IT本部の提案力を高め、ビジネスに貢献する価値を提供していく。そこでまず、IT本部のメンバーそれぞれに、自分が生み出せる価値は何か考えさせ、意識を変えるところから開始している。
では、次ページより、小泉氏との対談インタビューの全体を紹介しよう。
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