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  • 2014/07/11

「人」に備わるブランドは、組織における活動のなかで副次的に発生する

【IT×ブランド戦略(25)】

新卒就活市場における「東大卒」「慶応出身」といった呼称や、中途採用市場における、「リクルート出身」「マッキンゼー出身」のような呼称は、極めてブランド的な作用をする言葉である。第七回で取り上げた通り、意思決定の結果を先取りさせることが、ブランドの持つ本質的な力であるが、人材におけるブランドとは、いかなる過程で発生し、どのような影響力を発揮するのだろうか。事業・商品ブランドとの比較で考えると、ブランドという現象のまた違った側面が見えてくる。

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

「東工大=オタク」、「慶応大=シティボーイ」というイメージ

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 「人」に備わるブランドは、いかなる過程で発生し、どのような影響力を発揮するのだろうか。

 まずは、商品の購入や販売という視点でブランドの特徴を考えてみる。この場合、「ブランド消費では、購入者は、それを購入したことによって得られるものについて、その将来の姿がイメージとして共有されているので、“買おう”という意思決定が極めて簡単になる」ということになる。

 これは、人材に関するブランドにおいても同様に言い換えることができる。

 すなわち、「ブランドが付与された人材は、その性向や能力について、他の人々からあらかじめ一定のイメージを持たれており、それを前提としたコミュニケーションを行う」ということだ。

 「大学名」というものはそのような事例の宝庫でもあって、例えば東工大といえば「オタク」、慶応大は「シティボーイ」といったイメージが広く浸透している。

 ある程度の人生経験を持った人であれば、実際にはその枠にはまらない人が一定数いるということは当たり前のことではあるが、それでもやはり、ブランドイメージから外れる人に出会った際は「東工大のわりに○○」「慶応生なのに□□」といった感想が先に立つ。これは極めて強い社会的な力である。

 冷静に考えれば、「東工大=オタク」といった考え方を直接担保する実体的なものはどこにも存在しない。「オタクとかそういうことは関係なく、自分が学びたいことがあの大学にあるから目指すのだ」と考えて受験をする人も多いだろう。

 しかし、「自分はオタク的な資質が強いからこそ、東工大がぴったりしている」と考えてこの大学を目指す人も一定数存在するし、「東工大に入学したからにはそれに見合う立派なオタクでありたい」と思う人もいる。そのなかで飛び抜けて象徴的な人格を持つ人が出現するのは当然の成り行きというものだが、そうした人が今日もどこかで「東工大=オタク」伝説を生み出し、外部の人に「やはり・・・」という感想をもたらしている。

 別に東工大は組織的にオタク的人々を養成することを目的としているわけではない。しかし、現実として、上記のような構造は連綿として機能している。なんとなく、社会学用語の「再帰性」という言葉を連想する現象である。

【次ページ】呼称に実体的な価値があるか?という「美味しんぼ的葛藤」

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