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- 2014/10/14 07:00 掲載
組織のブランドは、観客の語る「ストーリー」によって認知が拡がる
【IT×ブランド戦略(28)】
1982年生まれ、東京大学工学部システム創成学科卒。製造業DX・人材ビジネス・IT開発・新規事業などの経験から、プロジェクト活動における「未知」という難しさを痛感。解決策を模索する中で、学生時代に学んだ設計学・サービス工学のプロジェクト活動への応用を着想した「プ譜(プロジェクト譜)」は、進行設計を計画書ではなく「譜面」として表現することで、管理に寄りすぎず、柔らかな進め方ができる手法として、静かながらも長年の支持を得ている。組織マネージャ、ITプロマネ、二児の父という三足のわらじが履ききれなくなって、2019年5月に独立。企業研修や実務支援に取り組む中で、どの業界、企業、人にも共通する悩みがあると理解し、何か一助になりたいと思いながらも試行錯誤を続けている。近年はプ譜を用いた壁打ちセッションを試行中。
組織ブランドが生まれるために必要な「選抜」と「育成」
「組織ブランド」と一口に言うと、様々なとらえ方ができてしまう言葉であるが、本稿においてはこのような現象について考える。すなわち「ある組織に所属する人々やその出身者が、一定の領域において、常人離れしたパフォーマンスを発揮すると、その組織の外部の人々から期待される」という現象である。組織に宿るブランドと事業や商品に宿るブランドは、似たようなものに見えて、全然違う。
事業や商品にブランドが宿るということは、基本的にはその事業運営や商品づくりに対する信頼ということであり、つまり、サービス提供におけるポリシーや価値観、品質保証体制といったものが人々に認知されていく、ということである。一方で、第27回で見たとおり、組織ブランドとは、一言で言えば「超人伝説に対する素朴な期待」であり、誰かがなにかを保証するといった種類のものではない。
一体どうしてそのような期待が生じるのか、冷静に考えると不思議な話であるが、これを担保するための根拠としては、二つの要素がある。
(2)その組織に所属することで他にないノウハウや文化、行動規範を身につけた
具体的な手法も、色々なバリエーションがある。広く門戸が開かれ、誰でも挑戦できるものもあれば、スカウトのような、受動的なものもある。判定方法にしても、審査員の主観に委ねられることもあれば、できるだけ客観的な、数値的なもので優劣をつけるということもある。
一方で(2)にも様々なバリエーションがあって、ある程度の素質や素養がなければ身につかないものもあれば、どんな人であってもやれば身につくというものもある。また、極めて個人的な「師弟関係」のようなものを通じて継承されるものもあれば、組織文化のなかで創発的に醸成されるものもある。
前回からテーマにしてきた「プロ棋士」という組織で言えば、奨励会という修業の場をくぐり抜ける困難さは非常に有名な話で、これが(1)の「一定の選抜」にあたる。これに加えて、年がら年中、賞金や名誉を賭けてプロ同士で対局していくという活動を通して、さらにその能力が開発され、神がかり的な力を発揮するようになる、というわけだ。
【次ページ】将棋のプロ棋士に求められる「結果」とは何か
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