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  • 2013/11/25

【IT×ブランド戦略(17)】なぜ私達は宮崎アニメを批評したくなるのか

スタジオジブリ最新作「かぐや姫の物語」公開記念

最新作「かぐや姫の物語」が11月23日に公開され、いま世間から注目を集めているスタジオジブリ。この企業においての「商品」とは、取りも直さず「映画」である。それは驚異的なセールス実績を持っており、日本文化における不動の地位を誇っている。私達は、その新作が封切りになった時、人はそれがスタジオジブリ、あるいは宮崎駿という「ブランド」の生み出した作品だから観に行くのだろうか?

プロジェクト・コンサルタント 後藤洋平

プロジェクト・コンサルタント 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

「宮崎アニメ」は本当にブランドだったのか

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 前回は「スタジオジブリがブランドなのか、宮崎アニメがブランドなのか」という問題を取り上げた。そこで見えてきたのは、「スタジオジブリ」と「宮崎アニメ」は、各々が独立したブランドであり、個別のコミュニティを持っている、ということであった。

 今回のテーマは、第二の問題、「宮崎アニメ」は本当にブランドなのだろうか、ということだ。

 日本文化における存在感。多くの人々を魅了し、ときにその人生を変えるほどの世界観。セールスその他を含めた経済的な影響力。宮崎アニメはいかなる観点においても、ブランド的な性質を持っているように思える。

 にもかかわらず、「宮崎アニメは本当にブランドだったのか?」などとわざわざ問題を蒸し返すのは何事かという話だ。しかし、実はここにもブランドというものを考えるにあたって、重要なポイントが含まれているので、しばしお付き合いをいただきたい。

 「スタジオジブリ」は企業名であり、その企業名はブランドとして成立している。

 言い換えれば、「スタジオジブリ」=「最高峰の才能が集まる制作集団」としての評価が定着しているのだ。たとえ採用担当者が黙っていても、是非ともそこに入りたいと、多くのアニメーター志望者が集まる力を持っている。この企業に入れば、多くの制作会社に比べて相当に有利な条件でスタートできるだろうことは、想像に難くないからだ。

 企業名がブランドとして成立しているということは、すなわちこういうことであって、こうしたことが企業経営におけるアドバンテージの源となるわけだ。

 とはいえ「ブランド」といえば、「ヴィトンの財布」といったように、普通は企業間の活動よりもやはり、最終消費者向けのパワーを持っているかどうか、というところが問われるもの。では「スタジオジブリ」の、一般的な顧客向けのパワーが強いかといわれると、どうだろうか。

 その意味で言うと、「スタジオジブリの商品」が「スタジオジブリだから」というだけで、無敵の力を持っているというよりはむしろ、そこの役割を担っていたのは「宮崎アニメ」という言葉の力によるところが大きい。

 とはいえ「宮崎アニメ」が本当にブランドなのかというと、厳密に考えていくと、ちょっと違う様相が見えてくる。

 ブランドの持つ力の本質とは、「『不確実な未来に対する葛藤』による『意思決定のストレス』を極めて低くする」ということだ。「宮崎アニメ」がブランドであるとするならば、それはどのようなシーンで、この力を発揮しているのだろうか?

【次ページ】「ただ面白いと知っているからもう一度観る」という話

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