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  • 2014/09/11

ガリバーのデジタルマーケティング戦略、ROI偏重の「刈り取り型」に訪れた限界と対策

中古車の「買い取り専門店」という、当時画期的なビジネスモデルで急成長を遂げ、近年では直接販売のビジネスも強化しているガリバー。中古車市場は、インターネットを活用した価格比較や一括査定も一般化し、価格競争も激化している市場だ。こうした状況に、ガリバーインターナショナル 経営企画室の北島 昇 氏は「俗に『刈り取り型』と呼ばれているROI偏重のデジタルマーケティングに限界を感じていた」と明かす。

フリージャーナリスト 小山 健治

フリージャーナリスト 小山 健治

1961年生まれ。システムエンジニア、編集プロダクションでのディレクターを経て、1994年よりフリーランスのジャーナリスト、コピーライター。企業情報システム、BI、ビッグデータ、IT関連マーケティング、ストレージなどの分野を中心に活動中。著書に、「図解 情報・コンピュータ業界」(東洋経済新報社)、「One to One:インターネット時代の超マーケティング」(IDL)、「CRMからCREへ」(日本能率協会マジメントセンター)などがある。

中古車を店舗ごとの在庫ではなく“情報”と位置付けてビジネスを拡大

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ガリバーインターナショナル
経営企画室
北島 昇 氏
 多くの人がライフスタイルにあわせて車を気軽に乗り換えられるように、中古車の売買がより魅力的なものになるように、自動車の流通革命を起こそう──。そんな想いを抱いて1994年に創業したガリバー。

 中古車の「買い取り専門店」という当時、画期的なビジネスモデルで急成長を遂げ、現在では全国に約420店舗を展開している。

 各店舗で買い取った中古車は、約30か所のカーオークションを介して2~4週間以内に卸されていくが、近年では一般顧客への直接販売にも力を入れるようになった。大まかに言うと、10台買い取った中古車のうち7台がカーオークションに回り、残りの3台が直接販売で売れていくという割合だ。

 ユニークなのは、カーオークションと直接販売のいずれにおいても、中古車の現物ではなく画像で取引されていることである。SoftBank World 2014のセミナーセッションに登壇した同社 経営企画室の北島昇氏は、次のように語る。

「ガリバーでは、買い取った中古車を在庫ではなく“情報”という位置づけでとらえている。全国420店舗の中古車情報を自社開発の『ドルフィネット』という自社の画像ネットワークシステムで連携し、販売している。実際、多くのお客さまに画像だけで中古車を購入いただいており、年間の販売台数は約6万台に達している」

 さらに、北島氏は「情報のみを扱うことでチャネル開発が軽くなり、多様な業態の販売店をローリスクで展開することができる。あたかもアプリケーションを作るように店舗を作る、ガリバーではそういった感覚で投資を行っている」と同社の強みを強調した。

 ガリバーでは現在、高級外車や軽自動車、ファミリーカー、ハイブリッドカーの専門店やアウトレット店、新しいコンセプトに基づく中古車選びのテーマパークなど構成的な販売チャネルを次々に展開。さらに、2017年度末までの中期経営計画のもと、国内のガリバー店舗を800店に倍増するほかグローバル戦略を推進し、ASEAN加盟国を含めたトータルで1600店舗に拡大する計画という。

ガリバーはもともとO2Oの会社、スマートコネクト戦略へシフト

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 さらに北島氏がアピールするのが、ガリバーはネット経由のアクセスを中古車の査定や販売につないでいる、もともとO2O(Online to Offline)の会社であることだ。

「ガリバーではインターネット経由で問い合わせを受けた後、コンタクトセンターから連絡をとって、出張査定に伺うというチャネルを持っている。来店のお客さまとネット経由のお客さまは、ほぼ半々の割合」

 ただ、一方で北島氏は、「俗に『刈り取り型』と呼ばれているROI偏重のデジタルマーケティングに限界を感じていた」とも明かす。IT導入による運用のオートメーション化などによって業務は確実に効率化していったが、肝心のシェアを伸ばすことができず、エンゲージメントも低下していたのである。

【次ページ】顧客価値改革とROI向上を両立させる新戦略

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