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- 2018/02/17 掲載
慶應大「殿町WRC」が超高齢社会の課題を解決できるワケ
羽田空港の真向かいに誕生したヘルスケアリサーチコンプレックス
殿町WRCでは、文部科学省より5年間(平成27年11月~平成32年3月)4億円の支援を受け、異分野融合による最先端の研究開発や事業化支援、人材育成などが行われている。
そのゴールは、世界に先駆け超高齢化社会を経験する日本として、課題に向き合いながら世界に誇る地域発研究開発・実証拠点を形成すること。組織としては、慶應義塾大学が中核機関となり、川崎市を始めとする提案自治体、大学、多様な研究所、企業が有機的に連携、リサーチコンプレックス推進事業を展開する。
具体的な事業の内容は大きく5点ある。
1.異分野融合共同研究開発
2.事業化支援
3.最先端研究設備の共同利用
4.人材育成共同プログラム
5.1~4の推進体制強化
設定した主な成功指標は「研究と実装のフィールドを構築すること」「実装を支える事業化支援機能を発揮すること」「特徴ある人材を育成すること」など。リサーチコンプレックス推進プログラムオーガナイザーであり、慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター 特任教授 吉元良太氏は殿町WRCを次のように語る。
「研究を出発点として、それをしっかり事業化するとともに、必要な人材を育て、人と企業が集積する街づくりを行うのがこの事業の目指すところ」
実際に、どのような異分野融合共同研究を行うのか? 4つのコア技術領域があるという。
(1)分子設計・ナノファブリケーション
(2)再生・細胞医療、実験動物
(3)AIと連携するヘルスケアOS
(4)ロボット・医療機器
「殿町WRCの強みは、ハプティクス(触覚技術)やビッグデータといったDRY研究と、細胞供給、コホート健康データなどのWET研究、その両方が存在すること。これらをうまくインタラクションさせながら、最終的にその成果が生活者に届くような仕組みを作っていく」(吉元氏)
【次ページ】AIとICTの活用で実現する次世代ヘルスケア
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