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- 2018/09/27 掲載
あなたの1on1に意味はある?15項目の「チェックリスト」
1on1に悩むマネージャー
仕事上のミーティングなので、世間話やよもやま話をするような場ではないだろうと普通は考える。
かといって、単に業務の進捗報告をするだけなら、わざわざ時間を作る必要もない。日報や週報を通じてコミュニケーションしたほうが、効率がいいだろう。わざわざ時間をとって対面で話す以上は、そうしたものでは伝わらないものを伝える場にしたほうがよい。
では何を話せばいいのか。他部門に対する愚痴なのか、それとも社内外の事業活動について、改善提案を受けたらいいのだろうか。はたまた、チーム内の人間関係の問題か。
それなりの時間をかけて実のある会話をしようとすると、具体的なテーマ設定や、それについての起承転結といった「話の組み立て」が必要になる。
1on1を「やらされている」感覚のあるマネージャーからしたら、その30分なり1時間なりが苦痛になることも多いとも聞く。ただでさえ忙しいなか、一体何の話をしたらいいんだ? 「沈黙と気まずい空気」ではない、何かしら前向きなものを得るためにどうすればいいのか。いまどきマネージャーの悩みである。
「上司が上」で「部下が下」の問題
そもそも、1on1とは上司のためにするものなのか、部下のためのものなのだろうか? 一般的に、1on1は上司が部下の育成のために行うものだとされている。そして、1on1というミーティング形式の狙いは、旧態依然とした大きな組織文化、大企業病的な悪弊を排除することにある。その悪弊の代表例が「上司が上」で「部下が下」という固定した世界観だ。
年功序列な昔ながらの企業では、上司は「経験豊富な方」で部下は「未熟な方」となりがちだ。従来型の日本のマネジメント思想では、これがすなわち「指導する側」と「指導される側」であると解釈される。
さらにここで、上司が「偉い方」で部下は「そうでない方」という意味合いを付加してしまう人もいる。また、上司は、「年上で、給料が高い方」とか、「これまで大きな失敗をせずに上の言うことを聞いてきた方」とかそういうニュアンスも宿る。
こうした上下関係を排除し、組織の活性化やイノベーションを起こすことが1on1の狙いだ。
やってはいけない1on1
1on1の指南書で指摘されるのは、「1on1の場で、上司が一方的に部下に対して考えを押し付けたり、評価を下したりするのは良くない」ということだ。その真意は、下記の通りである。
・外部環境の変化が激しく、過去の知見が役に立たない
・押し付けられる動機づけではパフォーマンスがあがらない、内発的動機づけが重要である・固定化された上下関係では、十分な情報交換がなされず、組織が硬直化する・上司が一方的に部下に考えを押し付けると、部下が上司の指示を待つ方向に特化されてしまい、自主性が損なわれる
さらに他にも注意すべきことがある。1on1という形式が密室であるために、そこで行われるコミュニケーションと情報交換が部下にとってではなく、上司にとって有利なものになってしまいがちなところだ。悪意はなくとも、上司に「仕事は順調ですか」と問われたら、よほどのことがなければ「はい」と答えるものだ。
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