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  • 2018/12/21

GAFAが進出したら「終わり」? レガシーだらけ日本の現実と弊害

自社のビジネス領域にGAFAなど巨大デジタル企業が参入して来たら、どのようにビジネスを進めればいいのか。相当な危機感を感じることになるだろう。一方、自社のビジネスについて、そういった事態に備えるべく、「デジタル化」を推進している企業がまだわずかだ。この乖離の原因や問題の本質はどこにあるのか。

ITジャーナリスト 田中克己

ITジャーナリスト 田中克己

日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長、主任編集委員などを歴任し、2010年1月からフリーのIT産業ジャーナリストとして活動を始める。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)、2012年度から一般社団法人ITビジネス研究会代表理事を務めるなど、40年にわたりIT産業の動向をウォッチする。主な著書に「IT産業再生の針路」「IT産業崩壊の危機」(ともに日経BP社)がある。

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「デジタル化」に対し、課題を抱えている企業が多い
(© tiquitaca - Fotolia)

破綻しないまでもかなりの浸食を受ける

 「アマゾンやグーグル、フェイスブックといった巨大デジタル企業が自社のビジネス領域に参入してきたら、自社のビジネスは崩壊する」ーー。調査会社ガートナーが18年10月に発表した日本企業のデジタルビジネス推進に向けた調査結果によると、その回答が12%あった。

 これに「破綻しないまでも、かなりの浸食を受ける恐れがある」(36%)と、「自社のビジネスの成長機会が奪われる」(24%)との回答を加えた危機感を持つ企業が7割超にも達する。

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テクノロジー・ベンダーが競合となった場合の自社への影響
(出典:ガートナー/調査:2018年2月(n=515))


出遅れる製造業のデジタル化?

 ところが、デジタルビジネスに取り組んでいる企業は1割程度だという。デジタル化が進まない大きな原因がある。巨大デジタル企業を脅威に感じても、実際にどの程度の影響を受けるか分からないからだ。

 デジタル化を積極的に推進した企業と、出遅れた企業の業績の差が表れたとの調査結果を見せられても、にわかには信じられない。IT投資によって、大きな成果を得たことがないからだ。

 ITを“金食い虫”と思っている経営者は、AIやIoTなどを駆使するデジタルビジネスにも消極的になる。今のビジネスモデルを守れるとも思っている。

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 それが顕著に表れているのが製造業だ。多くの業界と同じように人材不足が表面化しているが、デジタル人材の育成・獲得に力を入れる企業が少ないように思える。

 もちろんグローバルで人材獲得に取り組む製造業もあるが、日本の製造業の現状をとらえた「ものづくり白書2018年」によると、最も不足しているのは技能人材(59.1%)との回答が最も多い。

 次いで設計・デザイン人材(8.5%)、営業・販売・顧客へのアフターサービス人材(7.5%)、経営人材(7.1%)などと続き、デジタル人材との回答は4.1%と最も少ない。

 調査会社IDCジャパンが調査(18年3月)した国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する成熟度でも、DX化は足踏み状態が続いている。

 DXの成熟度は、ステージ1(個人依存)からステージ2(限定的導入)、ステージ3(標準基盤化)、ステージ4(定量的管理)、ステージ5(継続的革新)へと進化していくが、日本企業はステージ3以下が64%を占める。

 簡単に言えば、3分の1がDXに取り組み、3分の1がPoC(概念実証)を実施し、3分の1が様子見といったところだ。

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国内デジタルトランスフォーメーション市場の成熟度分布
(出典:IDC Japan, 3/2018)

 同社アナリストは、デジタル化を阻む原因があるという。「10人中9人がサイロ化された組織構造」とみている。しかも、DXが進むほど、組織の課題がクローズアップされる。

 たとえば、IT部門と業務部門がそれぞれIT予算を持ち、IT部門が知らないところで、IT予算が使われていることが多くなり、データを散在させている。組織の壁のほか、企業文化のハードルも大きい。

【次ページ】老朽システムもDXを妨げる

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