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  • 2020/12/18

黒字見通しで光明? 押し寄せるEVの波、自動車部品業界は今後どうなっていくのか

自動車部品メーカーは、コロナ禍で完成車メーカーと共に赤字に転落したが、2021年3月期はほとんどが営業黒字を計上する見通しだ。だが、コロナ危機を乗り越えられても「CASE」という100年に一度のパラダイムシフトの渦中にあるのは変わらない。東京都は「2030年までにガソリン車の新車販売ゼロ」の方針を発表、政府も「2030年代半ばに新車販売をすべて電動車」とする議論を開始し、電気自動車(xEV)の波が一層強まっている。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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コロナ、CASEで自動車部品業界にはどんな未来が待っているのか
(Photo/Getty Images)


トヨタグループ大手サプライヤー7社の営業損益推移

 2020年3~5月頃の需要急減に伴い、全世界の完成車メーカーが生産の一時停止に追い込まれたコロナの爪痕は深い。

 トヨタグループの大手サプライヤー7社(デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、ジェイテクト、トヨタ紡織、豊田合成、愛知製鋼)の2020年3月期は、6社が減益ながら営業損益は全社とも黒字だった。だが、2020年4~6月期決算では7社とも営業赤字に転落。株式を上場する日本の自動車部品メーカー主要34社で営業黒字を計上した企業が1社もないという惨状だった。

 トヨタ系は豊田自動織機を除く6社が最終赤字で「リーマンショックの時よりある意味厳しい」(アイシン精機)という声もあがっていた。11月までに発表された2020年4~9月中間期決算でも最大手のデンソーをはじめアイシン精機、ジェイテクト、愛知製鋼の4社は赤字に陥った。

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トヨタグループ大手7社の営業損益の推移(3月期本決算)

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トヨタグループ大手7社の営業損益の推移(9月中間期決算)


コロナ危機は出口の光が見えてきたか

 とはいえ、経済産業省が発表する「鉱工業生産指数」における自動車工業の生産指数(季節調整済み)は、前月比で「4月-36.6」から「5月-24.3」へと大きく落ち込んだ後に、「6月+28.6」「7月+38.4」「8月+8.9」「9月+11.4」「10月+6.8」と上昇を続け、コロナ前の1月とほぼ同水準まで回復している。

 トヨタ系7社も2021年3月期の通期見通しではジェイテクト以外の6社が黒字を見込んでおり、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田合成、愛知製鋼の4社は夏に発表した通期業績見通しを上方修正した。

 生産の再開や販売市場の回復は、中国が先行し日米欧がその後を追っている。それらの動きを受け、トヨタ自動車とともにトヨタ系部品メーカーは下半期の業績V字回復を見込んだ。自動車部品業界は暗いトンネルの先に光が見えてきたようにも見える。

 ただし、企業によって強弱はある。強いのはやはりトヨタ系で、東海理化やフタバ産業など中堅各社でも、中間期では営業赤字だったが通期では黒字に転換すると見込んでいる。

 2021年1月に日立オートモティブシステムズとホンダ系部品メーカー3社が経営統合して誕生する「日立アステモ」に合流しないジーテクトやエフ・シー・シーなどホンダ系サプライヤーも、中国などの需要回復で業績を取り戻した。

 出遅れているのはユニプレス、河西工業、ヨロズなどの日産系サプライヤーで、コロナ以前から長く続く日産自動車の業績低迷が影を落としている。6月に事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請したサンデンホールディングスのように再建を法的な救済に委ねる企業も出ており、トンネルを抜けた先で業界の優勝劣敗、再編が一層進むのを予感させる。

【次ページ】政府・東京都も方針発表、xEVの流れはもう止まらない

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