一見してわかるように、自動車産業が盛んな日本や欧米のメーカーで占められ、とりわけ、自動車業界の二大勢力である日本とドイツのメーカーが強さを発揮している。日本の自動車部品メーカーが、日本の自動車メーカーだけでなく、海外の自動車メーカーからも高く評価されていることが、この事実からもうかがい知れよう。
世界第1位の自動車部品メーカーはドイツのロバート・ボッシュである。創業は1886年(株式の9割以上をロバート・ボッシュ財団が保有。創業家のボッシュ家も株主)。エンジン用点火装置からスタート、自動車用の電子機器・通信機器・ステアリング・ディーゼルのほか、工業用オートメーション機器、産業機械、空調設備、電動工具なども生産している。
技術力には定評があり、2013年には約45億ユーロの研究開発費を投じ、全世界で約5000件の特許を出願している。ガソリンエンジンの低公害化に必要な燃料噴射の電子制御技術は同社が開発し、世界中で導入されている。
世界50カ国以上に現地法人を設立、約150カ国に事業拠点があり、約28万人の従業員を抱える。日本にも戦前から進出。ボッシュ(旧ゼクセルなどが合併。自動車部品など)、ボッシュ・レックスロス(油圧機器など)といったグループ企業がある。日本のグループ売上高だけで3,000億円以上、従業員数は約7500名にのぼる。
第3位のマグナ・インターナショナルはカナダの自動車部品メーカーで、1957年の創業。世界約30カ国に事業拠点を持ち、約13万人の従業員を擁している。「マグナの製品を使えば、自動車が1台作れる」と言われるほど、自動車部品のラインアップは多岐にわたる。ビッグスリーやBMWのサプライヤーであり、日本の自動車メーカーとの取引も拡大している。
第4位はドイツのコンチネンタル(1871年創業)。もともとタイヤメーカー(「コンチネンタルタイヤ」は現在でも世界的に有名)だったが、ブレーキ、カーエレクトロニクスなどにも多角化し、総合自動車部品メーカーとなった。世界50カ国近くで事業を展開(従業員数は約16万人)。08年にはドイツの大手ベアリングメーカー、シェフラーの傘下に入っている。
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