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- 2014/11/06 掲載
メルセデス・ベンツの自動運転への挑戦、125年前の歴史的ルートで再び
自動運転が求めれる背景とメルセデス・ベンツの取り組み
実験目的は高速道路以外の場所、すなわち一般道や街中・郊外における自動走行のノウハウを蓄積することだった。「車体は量産車、または量産に近い形状のものとし、カメラやレーダなどのセンサーも市販品を活用した。さまざまなソリューションをシステムに組み込むために、技術的な課題を洗い出し、本格的な技術革新の準備をしようと考えた」(シェーファー氏)。
シェーファー氏は「当時は技術的にも未熟というだけでなく、法的な問題も含めて多くの問題に直面した。自動運転は違法とみなされており、ドライバーも自身で運転したいという意識が強く、メーカー側が市場投入するまで踏み込めなかった。まだ安全面では、人のほうが優れているという見方が大半だった」と説明する。
それから20年以上が経ち、技術が進展した結果、人々や政府の考え方も変わり、メーカーも自動運転の開発に積極的に乗り出せる環境が整った。安全性に関してはドライバーをアシストするインテリジェントな自動システムが寄与し、既成概念も打ち破られた。一方、ユーザー側も自動運転に興味を持つようになった。その背景には、モビリティを取り巻く状況が大きく変わったことが挙げられる。
「都市部での慢性的な渋滞により、運転そのものに苦痛を伴うことが多くなった。駐車スペースも少なく、クルマの入出庫も難しい状況だ。社会的にも高齢者が増え、複雑なルートや夜間走行、悪天候での簡単な運転が求められている。また若い世代では、運転中でもデジタル世界と切れずにコネクションを保てるような自動運転が必要という考え方もある」(シェーファー氏)
メルセデスベンツの「INTELLIGENT DRIVE」には2つの大きな目標がある。「まず事故のない運転を行えること。昔から“ABS”(Antilock Brake System)などが導入されているが、最新技術では危険な状態で緊急ブレーキが作動する“PRE-SAFEブレーキ機能”を搭載した。もう1つは自動運転中の快適性の追求だ。我々は自動化を中心に据え、ステアリング・コントーロール、高速道路走行、自動駐車などをステップバイステップで高めていく方針だ」(シェーファー氏)。
【次ページ】103kmにわたる「ベルタ・ベンツ」の走行実験の結果は?
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