日立は、これまで培ってきた大容量データを多重化する技術(多重化通信)などを生かし、クラウドサービス「TWX-21グローバル大容量データ交換サービス」を開発し、提供を開始する。
本サービスの導入には、国際専用回線の新設や増強、あるいは特別なデータ圧縮装置の設置といった追加投資が不要なほか、クラウド型で提供するために、新たに運用のためのソフトウェアなどの購入は不要となる。日立によれば、これらにより、低コストで、高速かつ高信頼な大容量データの交換が可能になるという。
利用する際は、Webブラウザ上で送信したいデータと宛先を選択し、送信開始ボタンを押すだけで送信できる。なお、本サービスは、「TWX-21」を提供基盤としているため、日立が「TWX-21」の運用でグローバルに長年培ってきたノウハウを生かし、日本語・英語・中国といった多言語対応や「TWX-21」上で提供されているグローバルに対応した高いレベルの運用サービスもシングルサインオンで利用できる。セキュリティ面では、HTTPSによる通信経路の保護や多重化通信による転送途中の盗聴防止、上司などの管理者承認によって誤送信を防ぐ多重チェックが設定できるなどの機能が備わっている。
価格はオープン。本サービスの利便性や品質レベルを実際に体験できる1カ月の無料試行サービスを導入検討する法人企業向けに実施する。
製造業では近年、海外で展開する業務内容も、これまで主体だった製造業務だけでなく、設計から試作、販売、保守にまで拡大しており、これらの業務に必要な設計図面やマニュアルなど、さまざまな情報のやり取りにおいて、ギガバイト(GB)サイズの大容量データを高速かつセキュアに交換する必要性が高まっている。
しかし、グローバル展開においては、回線状況の悪化やトラフィックの増加により、転送遅延や転送失敗が発生するといった問題が生じる場合がある。そのため、大容量データの交換をするために、データを記録メディアに保存して輸送したり、メールで分割送信したりするなど時間と手間がかかり業務の妨げとなっていた。また、セキュリティの観点から、記録メディアの輸送途中での紛失・盗難のほかメールの盗聴などによるデータが漏えいすることを防ぐためにも、セキュアなデータ交換サービスが求められていた。
日立では本サービスを利用する対象業種と用途例について、下記のような利用方法を見込んでいる。